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DAYS

第15章 SUPER LOVE SONG A×S





どうしたもんかと、
1人楽屋のドアを睨んでたら


「櫻井さん。大丈夫ですか?」
「へ?」
「かなり険しい顔をされてるので。」
「あ、すみません。大丈夫です。
お疲れ様でーす。」


前を通っていくスタッフさんに
同じことを尋ねられた。


そんなひどい顔してたのか。
気を付けないと。





「お待たせー!」
「はやっ。」



そうこうしてるうちに、
雅紀の声が廊下に響く。

今楽屋に入ったところなのに、
一瞬で出てきた雅紀。


「翔ちゃんが待ってるから。」



こういうのをサラっと言うあたり、
本当に尊敬する。

素直で裏が無くて、
計算じゃなくて天然で人の心が
ぐらっと動くようなことをしてる。


そういうところに何度も救われてきた。


嵐のメンバー、みんなそうだと思う。


何だろう。
相葉雅紀が持ってる空気は
人を幸せにするんだよ。

分かるでしょ?


笑ってくれるだけで俺も嬉しい。



「翔ちゃん、行こ。」
「うん。」


駐車場までの短い距離だけど、
一緒に並んで歩いてる、って事だけでも
胸が高鳴る。


今までのどんな恋愛よりも、
1番輝いてる。


俺自身も。時間も。空間も。



駐車場には、もうマネージャーが
裏口の近くまで車を回してくれてた。




車内は終始賑やかで。

あっという間に雅紀のマンションまで
着いた。


…もうちょっと一緒にいたいなぁ。


その一言がいつも言えない。



「じゃあ明日、相葉さんは午前なので
10時くらいに迎えにきます。」
「あ、うん。分かった。ありがとう。

翔ちゃんは?」
「俺は、明日は午後かな。」
「じゃあ丁度いいや。」


雅紀が車のドアを開けた



と思ったら、俺の腕をぐんっと強く
引っ張って、


「え?雅紀?」
「今日は飲むぞー!」
「いや、雅紀明日朝からじゃん。」
「でも翔ちゃんは午後でしょ?」


こんな日なかなかないから
いいじゃん。

って、きらっきらした笑顔で言う。



そんなの断れる訳ないでしょ?


何気に初デート。
しかもお家デートってやつだわ。



どうしよう。


シュミレーション、何もしてないや。

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