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DAYS

第15章 SUPER LOVE SONG A×S




悶々とした気持ちを抱えて
シャワーに入っても、すっきりしない。



「好き…なんだよなぁ。」


勃って、改めて好きって感じるのも
変な話だけど、本気だよ?



雅紀の事を考えれば考えるほど、
それに比例して熱を持っていく。


「ダメだ。出よう。」


熱めのお湯を、一気に冷水に変えて
戒めておいた。



誰もいないリビング。

しかも雅紀の家。


落ち着かなくて、
ぐるぐるソファーの周りをまわってみたけど
ダメで。


「はぁ。」


ソファーにばたっと、深く沈み込んだ。


疲れていた体を、柔らかいクッションが
包み込んでくる。


頭は悶々としていても、体は正直で。

気が付けば、もう夢の中だった。










「ん…。」


あ、俺寝ちゃってたか。


ゆっくり体を起こすと、



「へ…。雅紀?」


隣には、よく知ってる顔。

鼻筋がしっかりしてて、
目鼻立ちが整ってる顔。



「へ?へ?」


覚醒していない頭をフルに使えど、
状況が上手く呑み込めてない。


だって、だって。

俺、ソファーで寝てたじゃん?

でも、ここベッドの上じゃん。



この家には、雅紀と俺しかいない。

でも、雅紀は寝てたしー



「起きてたの!?」
「ぅわ。…んん。」
「あ、ごめん。」


思ったよりも大きな声が出てしまって、
その声で雅紀がもぞもぞ動き出した。


「おはよ、翔ちゃん。」


朝一から、その爽やかスマイル。



「悪い。起こした。」
「んーん。もう起きよっかぁ、って
思ってたところだから。」


気にしないでね、って
優しい嘘をついてくれてる。


そんな訳ないでしょ?

だってまだ4時なんだもん。



雅紀は優しい。
いつでも、どこでも。

…なんかコンビニみたいだな。


コンビニエンスストア相葉。


なかなかいい線いってると思う。



「雅紀、ここまで運んでくれた?」
「ん?あ、うん。

夜中に目が覚めたら、翔ちゃんが
リビングで寝てるんだもん。」


ひょいってね。持ち上げたの。
俺、スーパーマンみたい?って

無邪気な雅紀。


寝ぐせ、ついてるけどね。

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