DAYS
第15章 SUPER LOVE SONG A×S
「ほら、もうちょっと寝ようよ。」
「うーん…。」
ベッドの端から、俺の寝転がってる
すぐ隣までをずーっと往復してる。
「眠たくないの?」
「眠たい。」
「やっぱり。
寝よう。ね?」
「じゃあもっとこっちに来て。」
腕を広げて、自分のすぐ隣を
とんとんと叩きながら、眩しいくらいの
笑顔を添えて俺のことを待ってる。
腕枕、ってことだよね。
ここに来いよってことだよね。
俺、色々自信がないんだけど。
だって、雅紀の寝顔を見ただけで、
反応しちゃったんだよ?
俺の息子は。
平常心。平常心。平常心…
「翔ちゃん、大丈夫?」
「ふぁ!?」
「ふぁ、ってどうしたの。」
爆笑してるし。
「笑うなよ…。」
「だって、ずっと平常心って
言ってるんだもん。」
しまった。
やっちまった。
「いや、気のせいだよ。大丈夫。」
「そー?」
うんうん、と今年1番頭を振ったんじゃ
ないかってくらいに頷いた。
そしたら、雅紀ってやっぱり
素直だから。
「じゃあ、いいや。」
「うんうん。雅紀も疲れてるんだよ。
もうちょっと寝よ。
あと4時間は寝てて大丈夫でしょ。」
「うん。」
眠たそうに目を擦ってるくせに、
寝まいと必死になってる。
「寝ないの?」
「んー…。」
頭がかくん、ってなってる。
それも2・3度なんかじゃない。
何回も何回も、かくんってなってる。
何を拘って寝ないの?
絶対に眠たいくせに。
「ほら、寝よう。」
「翔ちゃんが、ぎゅって
してくれなきゃ絶対、やだぁ。」
普段の緩い口調に磨きがかかって、
甘ーい吐息を吐きながら、
ウトウトしてる。
そんな風に言われちゃったら…。
大丈夫、出来る。平常心。
「…おいで。」
「うん。」
嬉しそうな顔をして、
俺の側に体をにじにじと捩って
近づいてくる雅紀。
そんな雅紀がどうしようもなく
可愛くて。愛おしいくて。
「おやすみ…。」
「…お、みぃ。」
ふふ。ちゃんと言えてないし。
2人のベッドはまだ暖かい。
もうちょっとこのままの
俺たちでいいかな。