DAYS
第2章 愛愛愛 S×A
涙がボロボロ出てきて、
上手く喋ることが出来ない。
「…っ、ふぅ、うぅ。
俺、翔ちゃんが…好きっ、だよ。」
自分でも何を言ってるのか分からない。
でも、翔ちゃんはずっと、
「うん。…うん。」
って、俺を優しく見つめててくれて。
ちゃんと言うから。
「だから…。」
深呼吸して、落ち着く。
「だから、俺と付き合って下さい。」
「うん。うん。」
それを聞いたら、ホッとして
もっと涙が止まらなくなった。
「雅紀。大好きだよ。」
「翔ちゃーん…。」
そんなこと言われたら、
もっと止まんなくなっちゃうよ…。
さっきまで泣いてた翔ちゃんは、
今は優しく微笑んでて。
強くて、優しくて、
いつも通りかっこいい翔ちゃんで。
「雅紀。」
名前を呼ばれて顔を上げると、
ちゅっと唇が重なる。
「…。」
ぽかーんとしている俺が
よっぽど面白い顔をしてるのか、
くすくす笑ってる声が聞こえる。
余裕があって、大人で。
そんなの分かってるけど、
何だかちょっと悔しくなって、
両手で翔ちゃんの頬を包むと、
自分のほうに引き寄せて
不意打ちでキスをする。
「え、ちょ、まさっ。」
ってびっくりして何か喋ってるけど
聞かない。
翔ちゃんが苦しくなったのか、
少し口を開けたのを感じて、
その隙間から下を絡ませた。
「んー!?…ちょ、。」
「ん。…ふっ、はぁ。」
ぐいっと肩を押されて体が離れる。
「…ダメだった?」
何だかまた泣きそうになっちゃって、
声が震えている。
「違う、まさー…」
「ごめん。また迷惑かけちゃってー…」
「雅紀!」
びっくりするくらい大きな声で
言われて、体がビクッてする。
また視界がぼやーってしてきて、
鼻の奥がツンとしてくる。
…泣いちゃダメ、泣いちゃダメ。
でもやっぱり出てきちゃって。
ダメだな、俺。
すぐ迷惑かけちゃうし。
考えれば考えるほど、ダメなことしか
出てこなくて。
そんな自分が情けなくて。
でも、
「雅紀。」
…またいつもの優しい声。
いつもそうだ。
どんな時でも、どんな俺でも
いつも笑って、隣にいてくれてて。
涙が頬を伝う。