DAYS
第15章 SUPER LOVE SONG A×S
S side
楽屋を飛び出したあと。
「っ。ど、しよ。」
雅紀のことを考えれば、考えるほど
涙がボロボロと出てくる。
やばい。止まんないよ。
とにかく、トイレかどこかに入ろうかと
思ってたら
「翔くん。」
後ろから馴染みある声。
ぱっと振り向けば、
「松潤。」
「どうしたの?何で泣いてるの?」
さっきの真っ赤な顔はどこへやら、
今は凛々しい顔して俺を心配してくれてる。
「なんでも、なっい。」
心配かけたくなかった。
…というよりは、言えない。
松潤には、ずっと頼れる兄貴的な
存在でいたい、って思う気持ちが強くて。
そんな俺の気持ちを読んだみたいに、
「俺じゃ、頼りない?」
松潤の寂しそうな声。
何でお前がそんな顔してんだよ。
そんな悲しい顔、松潤には似合わない。
「頼りなく、ないっ。」
「じゃあ話してよ、俺に。」
有無を言わさない、って感じの
真剣な瞳に負けそうになる。
だけど、やっぱり変なプライドが
邪魔してて
「大丈夫。」
って言おうとした瞬間、
「何にも分かってないね、翔くん。」
というと、俺の腕を強引に引っ張って
どこかへ向かっていく。
掴まれてる左の手首が痛い。
「ね、痛い。」
「あ、ごめん。」
そう言って、緩めてはくれるけど
決して離してはくれなくて。
「ここならいいでしょ。」
入ってきたのは、違うフロアの
空いてる楽屋。
何でこんな場所知ってんだ。
「で。何があったの?」
優しい口調に、全部任せたくなった。
全部話し終えたら、
「そっかぁ…。」
小さなため息とともに漏れた声。
「相葉くんが翔さんに冷たい態度を
とったんだ。」
「うん…。」
「相葉くんの事だから、理由は絶対に
あると思うけど…。」
そうだよ。
さっきはそこまで考えられなかったけど、
絶対に理由があるはず。
「ちゃんとさ、聞いてあげたら?」
男前な笑顔を添えて、
俺に語りかけてくれる松潤。
いつの間に、
そんなに大きくなったんだよ。