DAYS
第15章 SUPER LOVE SONG A×S
いつの間にか、俺よりも背が高くて。
…ほんっっっとにちょっとだけだけど。
何だろうな。
大人なんだよ。本当の意味で。
相談して、気持ちの整理がつくと
また涙が出てくる。
「ちょ、え?まだ泣くの?」
「だって…っ。」
やる事が明確になったら
不安になってきた。
俺、雅紀に嫌われたのか?とか。
次会うときは別れ話だな、とか。
ごちゃごちゃで、押しつぶされそうになる。
「だってって。
そんなに泣いたら腫れちゃう。」
そう言って、服の袖で優しく拭ってくれる。
手つきも、その行動も全てが
優しくて。
ダメだって分かってるのに。
ついつい甘えてしまった。
「お願い…。」
「…何?」
「ぎゅってして…。」
こんな事、頼んじゃいけないって
重々わかってる。
俺の恋人は雅紀だから。
だけど、今ここにいるのは
松潤しかいなくて。
早くこの堪らない不安を
ちょっとでも忘れたくて。
松潤は嵐のメンバー。
大切な仲間だから大丈夫。
変な言い訳ばかり考えてる
俺はずるい。
「翔くん。」
「…っ。っ。」
松潤の腕の中は、思ってた以上に
何倍も温かくて。
ホッとしたら、余計な力が
どんどん抜けていく。
「大丈夫だよ。上手くいく。」
「…うんっ。」
息を吸う事に、松潤の匂いがする。
頭が少し、ぼーっとしてきて。
「それにさ。」
「ん…?」
「もし大丈夫じゃなかったら、
俺のとこにくればいいよ。」
衝撃だった。
「…え?」
「こんなタイミングで言うなんて、
ずるいって分かってる。
でも、それくらい本気なんだ。
こうでもしなきゃ、俺のこと何て
見てくれないでしょ?」
切なげな松潤の声。
やめてよ。
俺、その声に弱いんだから。
「本当は、言わないつもりだった。」
「…。」
「だけど…。
こうやって抱き締めたらさ。
欲しくなるでしょ…?」
松潤も傷ついてるの?
何で泣きそうなんだよ。
泣くなよ。
あれもそれも、
全部俺のせい。