テキストサイズ

DAYS

第15章 SUPER LOVE SONG A×S





A side



気が付けば、ベッドの上。

目の前は白い天井。

抑揚のない、一定の機械音。


1度に様々な情報が流れ込んでくる中で、
自分がどこにいるかはすぐに把握出来た。


「病院…かぁ。」


あたりを少しキョロキョロと
見渡す。


こつん、と手が何か柔らかいものに
触れた。


「ニノ。」


ベッドの傍に丸い椅子を置いて、
ベッドに上半身を預けて寝てる。


「疲れてるんだなぁ。」


ちょっとした休憩時間も
爆睡してることが多くなった。


すごい俳優さんたちの中で
演技してるんだもんね。


そんなニノの寝顔を、
髪の毛を撫でながらただぼーっと見てた。



そしたら、そんな俺に
気付いてしまったみたで


「ん…っ、相葉さん。


あ、起きたの!? 大丈夫?」


急にオロオロしてるし。


「うん。もう平気だよ。
迷惑かけちゃってごめん。」
「もー…。すぐ謝るんだから。」


しんどい時くらい、
弱音吐けば?


ニノの瞳は、優しさに溢れてて。


「ごめん、より別の言葉が
聞きたいな。」
「ごめ、あっ。

本当にありがとう。」
「ん。」


俺の髪をくしゃって撫でるニノ。


「わぁ、やーめーろ。」
「その元気があれば、大丈夫だね。」


ぎゃあぎゃあ騒いでたら、
看護師さんに怒られちゃって
2人してしゅんとする。


「…ぷっ。」
「くくくっ。

相葉さん、怒られちゃてるね。」
「いやいや、ニノもじゃん。」


いや、そっちこそ。

なんて言い合いしてたら
ボリュームのことなんてすっかり
頭から飛んでで、


「ここは病院ですよ!!!」


って、こっぴどく叱られた。



「もう…。
相葉さんと一緒だと
ろくなことがないよ。」
「なっ!」
「しー…。


それより。
もうちょっとしたら、翔さん
来ると思うから。」


翔ちゃん…。

その言葉にどきっとした。


また涙が出てきそうになる。


「とにかく、ちゃんと話しろよ。」


俺、次の仕事あるから。



そう言い残して、足早に帰ってく。




忙しいのに、ありがと。


俺も、頑張らないと。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ