DAYS
第15章 SUPER LOVE SONG A×S
ニノが行ってしまってから、
1人、部屋でぼーってしてた。
だけど、どうしても考えるのは
翔ちゃんと、松潤がー…。
覚悟を決めよう。
今、引き返せば、まだ間に合う。
深く傷つかなくてすむ。
身を引くことが、1番なんじゃないか。って。
何度も深呼吸をして、落ち着かせてた。
そしたら、
こんこんって、静かだった病室に
響く優しい音。
「はーい。」
「…雅紀、入るよ?」
「うん。」
ダッフルコートを纏った翔ちゃんは
いつもの何倍も可愛い。
いつもなら、
「可愛いね♡」
「ばっ…!」
こんな会話、簡単に出来るのに。
病室には、何となく重い空気が流れてる。
「あの…。体調、大丈夫?」
「うん、もうすっかり。」
「そっか…。」
やっと始まった会話も弾まなくて。
でも、これじゃあダメだ。
男だろ、雅紀。
もう1回、深呼吸をする。
「翔ちゃん。」
「…ん?」
「ごめん。」
ベッドに座ったまま、
下げられるだけ、頭を下げた。
「ひどいこと言って、
ひどいことして、傷つけてごめん。」
「あ、いやー」
「本当にごめんなさい。」
何か言いたそうにしてるけど、
言わせない。
「翔ちゃんさ。無理、してない?」
「…え? 」
「本当に好きな人、別にいるんじゃない?」
翔ちゃんの顔を見ることが出来なくて。
鼻の奥が、つんとする。
「何で…。」
「見ちゃったんだ。
エレベーターで、松潤と抱き合ってる
ところ。」
顔を上げて翔ちゃんの方を見れば、
…泣きそうなの?
「本当に…。」
「え?」
「本当に、俺が松潤のことを
好きに見えたの?」
「…え?」
「雅紀だけが好きなのに。
ずっと、ずっと雅紀だけなのに。
確かに、抱きしめられた。
告白もされた。
雅紀が楽屋で機嫌が悪かった理由も
何となく分かった。」
翔ちゃんの濡れた瞳が俺を捉える。
次に言われる言葉が怖くて。
耳を塞ぎたくなった。
だけど、飛び込んできた言葉は
「雅紀。…俺を抱いてよ。」