DAYS
第16章 special 小説♡ 第1弾
N×O
N side
面倒臭いことは、嫌いだ。
人もそうだし、出来事とかも?
ねちねち言うやつとか、
拗ねて部屋にこもるやつとか。
全然部屋から出てこない、とか。
この時間、絶対ゲーム出来たのに。
「智。」
「…。」
「いい加減、出てこいや。」
「…。」
面倒臭い。
何ですぐこーなるかなぁ。
些細な事が原因だった。
今思えば、ほんっっっとにつまんない。
「俺は、オムライスにはケチャップ。」
「和也は分かってない。
絶対にデミグラスだ。」
「アイツは邪道だ。
王道が1番だよ、絶対に。」
「和也は子供だもんね。」
その言葉にかちんときて、
「ああ、そうだな。」
何か言ってる智の言葉も聞かずに、
1時間ほど放置した。
ひたすらゲームしてた。
逃げるみたいに。
そしたら、そんな俺に
「ほんっと子供…。」
リビングの扉を荒く閉める智。
その行動が、智の心の中を
全部映し出してた。
それだけ言い残したっきり、
出てこない。
「なぁ、ごめん。
俺が悪かったから…。」
「…。」
「智。出てきてよ。」
「…。」
今日は諦めるしかない。
ここにいたら、体が冷えちゃう。
…でも、寒いのは智だって同じだし。
1人うーんと唸ってたら、
かちゃんって、鍵の開く音。
「和也…。」
「智。」
「ごめん。俺も悪かった。」
「智…。」
「しょうがないよね、和也に言ったって。
だって、子供なんだもん。」
何にも変わってないじゃん。
だけど、それが智なんだもんな。
半べそかいて、涙目になってる智が
どうしようもなく愛おしくて。
俺の事を子供って言ってる子供な
智も愛おしくて。
もう全部に夢中になってんだ。
惚れた方が、負け、なんて。
ぎゅっと抱きしめれば、
胸がきゅんってなる。
優しくキスをすれば、
体がもっと智を欲してる。
あ、そうか。
俺って、さとしっくか。
「なぁ。」
「ん?」
「好きだよ。」
お前の1番のファンだかんな。
-end-