DAYS
第17章 All I Want For Birthday Is M×A
次の日。
俺はオフ。
翔さんは午前中だけの仕事らしい。
…雅紀もオフか。
本当なら今日、2人で久しぶりのオフを
満喫する予定だった。
だけど。
1日たっても、やっぱり雅紀からの
連絡は何一つない。
メールも。
電話も。
何も返ってこない。
あんなに一緒にいたのに。
繋がりが切れるのは案外簡単で。
朝ごはんを作ろう、って思っても
2人前作ってしまうからやめた。
「雅紀。」
クセで呼んでしまう、愛おしい人の名前。
どれだけ呼んだって
むなしくなるだけで。
「潤。」って笑う顔が見たくて。
声が聞きたくて。
俺、雅紀中毒なんだろうな。
午前中は、ひたすら空を見てた。
ベランダに出て、椅子を置いて
ずっと空を見てた。
雅紀がよくしてたこと。
「寒いから、風邪引くぞ。」って
いくら言っても、ここで見てた。
雲が流れていくのを
ひたすら目で追っていく。
雅紀も見てるかもしれないって
小さな喜びを胸に抱いて。
そんな事をしてたら、
ピーンポーン
「はーい。」
画面を見てみれば翔さん。
急いで玄関を開ける。
「いらっしゃい。」
「お邪魔しまーす。」
大きな荷物を抱えて登場。
「宅配便の人みたい。」
「こんっちわー。ってやつ?」
「そーそー!(笑)」
玄関のドアも開けっ放しで、
ミニコント。
最後には、
「あなた、おかえりなさい。」
「ああ、おかえり。」
なーんて馬鹿なこともやって。
「俺ら玄関で何やってんだ。」
って結論に至るまで、
結構な時間がかかった。
「入って。」
「お邪魔します。」
翔さんから荷物を受け取る。
袋から出せば、
「うわぁ…。マジだ。」
「何だ、その感想。」
「いや、だって本当だーって。
こんなのテレビとか、ドラマとかでしか
見ないし。
こんな近くで見たのもあんまり
ないなぁって。」
「まぁ、そうか。」
「綺麗…。」
これを雅紀が…。
想像しただけでも充分なほど、
雅紀は綺麗だ。
さぁ…。
雅紀を迎えに行かないと。