DAYS
第17章 All I Want For Birthday Is M×A
A side
久しぶりのオフ。
気づけば、あれからもう3日。
何にも出来なくて、
時間だけが経っていく。
「これじゃあダメだよ…。」
このセリフも、もう何度目なのか
分からない。
動かなきゃ始まらないのは
分かってる。
携帯が何度も震えてるのにも、
インターフォンが何度も鳴って
潤が来てくれてることにも、
全部に向き合わないと。
「よし…。」
このまま何もしないで
終わるのだけは嫌だ。
ちゃんと話をしよう。
それから考えればいい。
アクセルを踏み込む足に
いつもよりも力が入る。
冬なのに、ハンドルを握る手が
じわじわと汗ばんでる。
お腹、痛くなってきちゃった。
「はぁ…。」
マンションの駐車場に着いたけど、
ここから出られずにいる。
もう何分もここにいる。
…やっぱり帰ろうかな。
「いや、でもダメ。ダメ。」
俺は出来る。
何度も口に出しながら、
ゆっくりと車を降りる。
と、
「あれ?
…翔ちゃん?」
マンションの中に入っていく
見覚えのある姿。
大荷物を持ってどこに行くんだろ。
こっそり後ろを追う。
あんなに入れなかったマンションに
すっと入れちゃったし。
エレベーターの止まった先を見れば、
潤の住んでるフロア。
…まさか。
急いであとを追って、
次のエレベーターに乗り込んだ。
そうしたら、あれだよ。
あんなの見せつけられちゃって。
何、あの会話。
分かってる。
冗談だって。ふざけてるんだって。
だから、大丈夫。って言い聞かせて。
だけど、無理。
気が付けば、マンションを
飛び出してた。
どうしても1人でいたくなくて。
「りーだぁ…。」
「相葉ちゃん?どうしたの?」
リーダーの家。
押しかけちゃった…。
「…相葉ちゃん?」
突然来たのに、
嫌な顔1つしないで。
リーダーの声は、優しくて。
「ちょ、相葉ちゃん?
大丈夫?」
涙が止まらなくなっちゃった。