DAYS
第17章 All I Want For Birthday Is M×A
M side
あー。
見たまんまを勘違いしちゃってる。
まぁ、仕方ない。
「雅紀。」
名前を呼べば、不安の色に染まってる
雅紀の瞳が見える。
「翔さんはね、これを届けてくれたの。」
おいで、って手を伸ばして、
ベッドから下りる。
「これ?」
「うん。開けてみて。」
すっかり泣き止んで、
今度は驚いた顔をしてる。
コロコロ変わる表情に、
魅了されてる俺。
大きなガラス玉みたいな目を
濡らして、箱を見てフリーズしてる。
「これって…。」
「ウェディングドレス。」
「…何で?」
驚きを通り越して、
固まっちゃってる。
箱の中には、純白のドレス。
それとセットに置かれているのは、
真っ白なタキシード。
「翔さんに俺が頼んだの。
本当は俺が注文しようと
思ってたんだけど、雅紀と
一緒に暮らしてるから、見つかるかも
しれないでしょ?」
「じゃあ、翔ちゃんがあの日
ここにいたのは…。」
「うん。これを受け取ってた。」
「うそ…。」
安堵感からか、
ぺたんと床に座り込んでしまった。
「じゃあ、あの日は?
何で帰ってこなかったの?
…何でニノと一緒だったの?」
「それはね。
やりたい事があって。」
「やりたい事…?」
「うん。手伝ってもらってたんだ。
ほら、早くそれ着て。」
「え?え?」
まだ把握出来ずに、床に座り込んでる
雅紀の体を引っ張り起こす。
「脱いで。」
「え?何で何で。」
「脱がなきゃ俺が脱がすよ?」
「え、あっ、ひゃぁっ。
自分で脱ぐ。自分で脱ぎます。」
「そー?」
ちぇっ。残念だなぁ、なーんて。
さ、俺も着替えないとな。
「潤ー。」
「どした?」
「後ろのファスナー閉めて?」
綺麗な背中を俺に見せてる。
「それ、誘ってるの?」
「っ。ばか!!
俺、まだ怒ってるんだからね?
ねぇ!」
「うん。ごめんね。」
ちゅっと背中にキスを落とせば、
びくっと震わせる。
もっとしたいけど…我慢。
「雅紀、おいで。」
お姫様だっこで入場しようか。