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DAYS

第17章 All I Want For Birthday Is M×A





みんなが帰ったあと。


時間は12時を回って、
クリスマスイブ。


俺の誕生日。




ベランダに出て、
2人で空を見ながら、


「乾杯。」
「乾杯。」


ちーん、って
柔らかくて、いつになく幸せな音が
澄んだ空に吸い込まれてく。



「寒くない?」
「うん。コート、着てるもん。

潤がくれたやつね。ふふ。」
「似合ってる。」
「ありがとう。」


潤からの誕生日プレゼント。


ブラウンのロングコートだった。



でも、なかなかの格好してるよね?

ウェディングドレスに
ロングコートって。



「ねぇ、潤。」
「ん?」
「着替えちゃダメ?」
「ダメ。」


やっぱり。
…何となく予想はしてたけど。




だから、渋々この格好のまま。



「空、綺麗だね。」
「うん。今日は寒いから
よく見えるね。」


シャンパンを口に流し込みながら、
じーっと空を見つめる。



「あ、流れ星だ。」
「え、嘘!」


見逃しちゃったよ、流れ星。

お願い事したかったなぁ。


ちょっとしゅんってしてたら、



「ほら、凄い流れてる。」
「え、ほんとだ!」


空を駆けていく無数の星たち。


あまりにも綺麗で、思わず息を呑む。



「雅紀。」


名前を呼ばれて振り返れば、
大好きな人。


流れ星よりも、何もりも
俺の人生を輝かせてくれる人。



「これから、ずっと一緒に
いてくれる?」
「いる。ずっとずっといる。
潤が嫌だって言ってもいるから。」
「そりゃ、大変だなぁ。」


ははって笑ってる、
潤に抱きつく。



受け止めてくれる腕の強さに、
いつも助けられる。


どんな時もこの胸だけは
安心できる場所なの。



俺だけ。

俺専用の場所。


星空だって、潤の前じゃ
かすんで見える。



「愛してる、雅紀。」
「愛してる。」


何度言葉を伝えたって足りない。

愛を囁いたって足りない。

今この瞬間だけじゃ、
全然足りないの。



だから、
ずっとずっと伝え続けるね。


隣を見れば、潤がいる。

こんな生活、凄い贅沢じゃない?


羨ましいでしょ?ふふ。

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