DAYS
第19章 身長差のない恋人 N×O
「本人に言えばいいと思うよ?」
「バカ。
それが出来てたら、あいばかさんに
何か相談してない。」
「それ、ひどくない?」
唇をとんがらせて、
ぶーぶー言ってる。
それ、33歳のやる事じゃないでしょうよ。
「だって、モヤモヤしてるんでしょ?」
「うん。」
「ならすっきりしなよ。」
「そんな簡単じゃないよ…。」
好きっていうことには気がついた。
でも、このままでもいいんじゃないか、
って、相葉さんが来るまで何度も
考えてた。
だけど、心はモヤモヤしたまま。
「何で?簡単だよ。
好きなら、好きって言えばいいよ。」
「でも…。」
みんながみんな、相葉さんみたいに
考えられる訳じゃないんだよ。
喉まで出かかった言葉を
何とか飲み込んだ。
そんなことを言ったら、
相葉さんが傷つく。
忙しいだろうし、疲れてるだろうに
文句……は言ってたけど、来てくれた。
相葉さんなりに、一生懸命答えを
探してくれてるんだもんね。
「メンバーだよ?」
「メンバーだね。」
「男だよ?大野さん。」
「うん。男だね。」
「どうしよう…。」
「ニノちゃんは、何を迷ってるの?」
真剣な顔つきの相葉さんが、
じっと俺を捉える。
迷いがなくて、綺麗で。
真っ直ぐな瞳は、俺には眩しかった。
俺は何に躊躇ってるの?
メンバーだから?
男だから?
俺の気持ちを伝えて、
上手くいっても上手くいかなくても、
絶対に会わなきないけない。
それも、躊躇ってる要素だよ。
確かにそうなんだけど…。
「怖い?」
相葉さんの優しい声。
「…こわっい。」
「あーあー。泣いちゃったかぁ…。」
怖いよ。
結局、傷つくのが怖いんだ。
振られるのなんて目に見えてる。
声に出したら、涙が出てくる。
お酒のせいもあってか、
涙は一向に止まる気配がなくて。
「もー、泣かないの。」
「だってっ、っ。」
優しく相葉さんが、ぎゅっと
ハグしてくれて。
「泣いちゃった。」
「泣いちゃってたね。」
しばらくして、やっと収まった涙。
ありがと。
もう迷わないよ。