DAYS
第19章 身長差のない恋人 N×O
何とかニノを引き剥がせた時には、
もう時刻は2時過ぎ。
当の本人は、ソファーですやすやと
寝てるし。
「はぁぁ!やばいよぉぉぉ!!
ごめん!俺、帰るね!」
「え、ニノどうするー」
「おやすみ!」
ニノどうするんだよ、って聞く前に
もう玄関を飛び出してった。
…あんなに焦ってたけど、何かあんのか?
まぁ、いいや。
「それよりどーすんだよ。」
リビングにニノと2人。
しばらくはニノの寝顔を眺めてた。
だけど、その度に相葉ちゃんに抱きつく
ニノを思い出して、辛くなった。
よく分かんない。
何でニノ相手にこんな気持ちに
ならなきゃいけないのか。
答えのないモヤモヤが
俺の頭を悩ましてる。
真っ黒い感情が、ふつふつと沸いてくる。
「はぁ。」
もう帰ろう。
いつまでもここにいる必要なんて
ないんだし。
俺も眠い。疲れてるんだよ。
立ち上がろうとしたら、
「大野さん…。」
名前を呼ばれてびくっとした。
急いで振り返れば、
「寝言か…。」
起きてる気配はなくて。
ドキッとした。
鼓動がどんどん加速してる。
…病気?
気になったけど、
眠気には勝てなくて。
「ニノ、帰るから。」
「ゃだ…。」
「…え?」
「いか、ないで…。」
ばっと見れば、
「ニノ!?」
泣いてた。
声も出さずに、静かに。
綺麗な涙を、ぽろぽろと流してた。
「どうしたの!?」
「やだぁ…。置いてかないでっ…。」
俺の服の裾をきゅっと掴んで
離そうとしない。
思いっきり立ち上がれば、
簡単に取れるのかもしれない。
でもそんなの出来なかった。
ニノの思い悩んだような、苦しそうな顔を
見たら、そんなの出来なかった。
「行かないで。ここに、居て…。
好き…だよ、大野さっん。」
今、何て言ったの?
好き?
ニノが俺を?
何かの間違いであってほしいと
望む心が頭の隅にぽつんとある。
だけど。
だけどそれよりも、嬉しかった。
静かになったと思えば、
また眠りについてるニノ。
何なんだよ。