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第19章  身長差のない恋人 N×O





O side



「…ててて。」


目が覚めたら、凄い数の毛布に
包まれてる俺。


暖かさと同時に、
俺に襲いかかってくるのは腰痛。



「…かずなりは?」


周りをキョロキョロ見渡せば、


「あ…。」


床にクッションを寄せ集めて、
その中に小さく蹲ってるかずなり。


そんなところで寝てたら、
腰に悪いのに。



「かーずーなーり。起きて。」
「んー…。」
「腰、痛くなっちゃうでしょ?
ほら。起きて。」
「うーん…。」


俺に抱きついて、
全然離れてくんない。


どんどん力が強くなってる。



「痛い痛い痛い。

俺、腰痛いんだからね!?」
「8割はあいばかのせいだろ。」





あとで問い詰めてやろう。



「何でこんなとこで寝てんの。」
「1人でリビングなんて、寂しいじゃん。」
「え?」
「や、違っ。

寝室まで行くのがしんどかったの。」
「俺が寂しいから?」
「違う違う。」



もうやめろ、って言ってるけど
顔赤いし。



「ふふ。かずなり、可愛いね。」
「うるさい。」


もう行くぞ、って俺の手を
グイグイ引っ張ってく。



何だけどね。歩き方がおかしくて。



「かずなり。
何で足ひょこひょこしてんの(笑)」
「なっ。
智もひょこひょこしてるじゃん。」
「かずなりの方がひどいよ。」
「絶対智だ!


…っぷ。」
「ふふふ。」


可笑しくなっちゃって、
2人で顔を合わせて吹いた。


「ちょ、やめてやめて。
お腹痛いお腹痛い(笑)」
「腰だけじゃなくて、腹筋も
やばくなるやつだ。」
「あははっ。もー、やめろやー。」



立っていられなくなって、
2人で床に転がって、腹を抱えて
笑った。



「ひぃーっ。はぁ…。」
「俺ら、何してんだろ。」
「ほんとだよ。」
「ここで寝たら、腰痛くなっちゃうね。」
「いいよ。幸せだし。」


手を伸ばせば、
ぎゅっと繋いでくれる。


暖かくて。



目を閉じる少し前。



「おやすみ。…愛してる。」


かずなりの口が動いてるのが見えて。



俺もって、夢の中で言うからね。



-end-

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