DAYS
第21章 愛を込めて花束を S×N
N side
毎晩、夢に魘されてた。
相葉さんと、MJの結婚式の日の夢を
毎日見てる。
幸せそうな2人と、
それを妬むようにみてる俺がいて。
そんな自分が嫌で。
「俺は、本当に嬉しかったんだ!
あの2人が幸せそうで!」
叫んでも、叫んでも、
夢の中の声は否定してくる。
「違う。表面上はそうだったよ。
でも。心の奥底で、
お前はどう思ってたんだよ。」
「嫌だ嫌だ嫌だ。」
大丈夫か?って、翔が
声をかけてくれる。
そんな翔にすがり付くように、
「ねぇ、俺たちは?
俺たち、これからどうなるの?」
「は? 何言ってんの。
遊びに決まってんだろ。」
「嘘だ。」
「嘘じゃねーよ。」
「嫌だ嫌だ嫌だ」
「嫌だ、やめろーーーっ!」
布団をがばっと上げて、飛び起きた。
…また、だ。
最近、ずっとこの夢を見る。
呼吸は、荒くて。
汗をびっしょりかいてて。
「寝室…。」
よく知ってる寝室。
毎日見てる寝室。
突然、バタバタって激しい音が
廊下の方から聞こえた。
「和!?」
大きな声と共に、
心配そうな翔がきて。
「翔?」
「大丈夫? どうした?」
「どうしたって…何で?」
「いや、叫び声が聞こえたから…」
「あぁ…。」
また、夢がフラッシュバックする。
そしたら、翔の顔を見るのが
また怖くなる。
また俯いてしまう。
心配かけるだけ、って分かってるのに。
「大丈夫だよ。」
「大丈夫じゃないだろ。
熱、あるんだぞ。」
「熱?」
「和、今日の朝意識失って
病院にいたんだぞ。」
ちゃんと窓の方を見てみれば、
朝だと思ってたら暗くなってて。
「ストレスだって。」
「え?」
「ストレスによる発熱だって。
なぁ、和。
何か隠し事してない?
辛い思いしてない?」
優しく語りかけてくれる翔の瞳は、
痛いくらいに眩しくて。
「何でもないよ。」
「何でもなくないだろ!」
さっきまでの静かで優しい口調から
一変、厳しい声。
思わず体に力が入る。