DAYS
第21章 愛を込めて花束を S×N
怒られる、って覚悟してたのに…
ふわっと抱きしめられる感覚。
「え…?」
「ごめんな。気付かなくて。
ごめんな。辛い思いさせて。」
少し震えた声。
絞り出すような、小さな声は
耳元から体中に響いて、
心にすとんっと落ちた。
「何で…。」
何で翔が謝るの?
何での一言で、俺の言いたい事が
分かったみたいで、
「一緒にいたのに、気付かなかった。
昨日、お風呂に入った時に
格好つけないで聞けはよかった。」
「…翔。」
「何か悩んでるのは分かってた。
だけど、聞けなかった。
…聞かなかった。
信じてるし、
信じてくれてるって思ってる。
聞かなくても分かってるよって
変に見栄張っちゃってた。
ずっと一緒にいるんだから、って
安心してた。
聞かなきゃ分かんないこと
ばっかりなくせに…。」
ぽつりぽつりと、翔の言葉が零れる。
ありのままの、飾らない、
生まれたまんまの言葉が、
こんなにも心に届いてく。
「だから聞かせて、和。」
体をゆっくりと離して、
俺をじっと見つめる。
「言ってよいいよ。」
「大丈夫だよ。」
何も言わないけど、
瞳が優しく語りかけてくれてる。
翔の瞳に、心がどんどん優しくなる。
ささくれてた心が、潤ってくる。
その瞳に促されるように、
言葉が少しずつ溢れてくる。
「不安だったの…。」
「うん。」
「相葉さんと、MJが結婚式した時…。
どこか素直に喜べなかった。
嬉しかったよ?
嬉しかったけど…。
…嫉妬したの。」
「…。」
こんな醜い心、受け止めてくれるの?
不安から声が震えてくる。
鼻の奥がつーんとする。
それを分かったように、
「どんな和でも受け止めるから。」
翔の言葉は優しくて。
涙がじわっと滲んでく。
「相葉さんも、MJも幸せそうで、
未来まで明るくて…。
だけど、俺たちはどうなのかなって。
一緒にいれるだけでよかったのに…。
俺、欲張りになったの。
翔が全部欲しい。
翔との未来も…欲しいの…。」