DAYS
第3章 心の中と頭の中 N×O
ごめんね。って気持ちと
色々してくれてありがと。って気持ち
を込めて。
はぁ…と漏れる息とともに、
唇を離す。
「智…。」
「ごめんね。我慢、させちゃって。
甘えすぎちゃって、俺…。」
和のほうを見ると、
目が真っ赤に充血してて、
唇をきゅっと噛み締めてる。
こうみたら、和の顔は幼くて。
童顔だもんな、和。
…俺より年下だもん。
不安だよね。
俺も同じ状況だったら、寂しいもん。
不安だもん。
…泣きたくなるもん。
それくらい、
一緒に居るのが当たり前で。
言わなくてもわかってくれてるって、
どこかで甘えてたんだと思う。
…そんな訳ないのにね。
誰よりも寂しがり屋で、
甘えん坊の和。
それなのに、文句なんて一つも言わないで
俺のことを分かってくれた。
「和。」
ゆっくりと顔を上げると、
…潤んだ和の瞳。
「俺、ここに住む。」
「…うん。…うん。……え?」
「明日には荷物持ってくるから。」
「え、え、住むの?」
「ダメなの?」
首を傾げて上目遣いに聞くと、
冷静な振りをしてるけど、
…耳が赤くなってるよ、和。
「もっと一緒に居たいの。」
「うん…。」
世間上、結婚は出来ない。
ただ性別が違うだけなのに。
それだけで許されることはない。
そんなの分かってる。
でも、
「…お嫁さんにしてくれる?」
和と一緒に居たい。
「もー…。智ずるいよ。」
和が俺を正面から抱きしめる。
「こんな可愛いお嫁さん、
貰わない訳ないじゃん…。」
そんな言葉聞いたら、
頭がほわほわしてきちゃって。
「え、ちょ、智!?」
和が俺を呼ぶ声が遠くのほうで
聞こえてるけど、
その声を聞けてるだけでも幸せで。
ー逆上せちゃったみたい。