DAYS
第21章 愛を込めて花束を S×N
結婚初夜…。
その言葉に、顔がぼっと熱くなった。
「なぁ、和。」
「っ。な、なに?」
和も意識してるみたいで、
体がびくってなってるし。
そんな和が愛おしくて。
「ふふ。…緊張してるの?」
って、和を優しく抱きしめる。
ふわっと和の匂いに包まれて、
ほぉぅっと息を吐いた。
「新婚初夜…。照れるね。」
「…うん。」
「和。」
名前を呼ばれて顔を上げる和に、
ちゅっと唇を重ねる。
1度触れれば、体がじんと痺れてくる。
呼吸が少しずつ早くなってきて、
息苦しい。
だけど、もっと和を感じたい。
「…はぁ。…翔。」
「うん。ベッド、行くよ。」
手を繋いでベッドルームに向かう。
前でもなく、後ろでもなく
隣を歩いてくれてる。
その横顔は、綺麗で、可愛くて
ぼーっと見惚れた。
ベッドルームのドアを開ければ、
「え…凄い。」
「初めて見た。天蓋付きのベッド。」
キングサイズのベッドには、
優雅な白いレースの天蓋。
床や家具の上には、
アロマキャンドルが優しく揺れてる。
「翔、あれ…。」
広いベッドの上に置かれてる花束。
赤いバラの花。
「それは俺が用意してた。」
「え? 翔が?」
かなりびっくりした顔してる。
そりゃそうだよね。
俺だってこの本数はびっくりだよ。
「これ、どれだけあるの?」
花束を両手いっぱいに抱えようと
してるけど、その量は和よりも
ずっと多い。
「持ちきれないよ…。
これ、何本あるの?」
「999本。」
「は?」
「999本にも意味があるんだ。」
何度だって、和を愛す。
いつまでも、和だけを愛す。
その決意を込めて。
意味を伝えれば、
「翔…っ。っ。」
ボロボロと涙を流しながら、
いっぱいのバラに埋もれてる。
あぁ…。綺麗だな。
「おいで…。」
バラの花を抱えたまま、
俺の胸に飛び込んでくる。
バラの香りに一気に包まれてた、
と思ったら、
唇に暖かい感触。
驚いて和を見れば、
してやったりの顔。
…可愛いじゃん。