DAYS
第22章 2人のBirthday M×S
S side
「で、やっぱり俺なんだ。」
「お前じゃないって。
電話掛かってきたの俺じゃん。」
「いいじゃん。一緒にいるんだから。」
「そうだけど…。」
電話をしたのは、相葉くん。
もちろん、ニノが一緒にいることを
見込んで掛けたけど…。
電話帳の一番上にあったから。
相葉くんの運転する車の中。
助手席に俺。
後部座席にニノ。
何か配置がおかしくない?
「ニノ、そこでいいの?
俺、後ろ乗るから、ニノが前にー…」
「いい。大丈夫。」
「本当?」
「ふふ。かずな…ニノはね、
俺の横にいると我慢出来なくなっちゃー」
相葉くんが最後の言葉を言い終わる前に
「わぁあーーーーっ!
このあいばか!
そんな事言わなくっていいじゃん!」
「だって本当の事じゃん。」
「我慢?…ニノ、何か病気なの?」
「ある意味病気なんじゃない?
俺が大好きすぎて、
欲しくなっちゃうんだって♡♡」
欲しくなるって、…え!?
そっちの方ですか!?
ばっと後ろを振り向くと、
「まぁーくんのバカぁ…。」
涙を淵いっぱいに溜めて、
顔を真っ赤にさせてる。
「…可愛い。」
思わずぽそっと呟くと、
相葉くんが慌てて
「え!?
ダメダメ。翔ちゃん、前向いてて!
それは俺だけのだから!」
「え、あ、うん。」
「もー!かずなり!
そんな可愛い顔しちゃダメだって!」
「だってぇ…。
まぁーくんが意地悪するからぁ…。」
ぐすんぐすんと、鼻を啜る音。
やっぱり、2人の空気が好きだ。
羨ましくない?こんな感じ。
2人とも凄く幸せそうで、自然体で。
こういうのを可愛いって言うんだよ。
俺なんか、可愛くないじゃん。
だけどね、今なら分かる気がする。
潤の言ってる『可愛い』の意味。
相葉くんの言ってた
『愛おしい』って事も。
2人の甘い会話が聞こえてくるけど、
考える事は潤の事。
俺が出てったの、追いかけてくれたのに。
俺があの時出て行かなかったら、
今頃2人でベッドで…なーんて。
そんな事を考えたら、泣けてきた。