
DAYS
第22章 2人のBirthday M×S
相葉くんからの言葉。
「…え?」
それは予想外の言葉だった。
「泣くのが悪いんじゃないよ?
だけどね。翔ちゃんは、何かしたの?
何かしてから、泣いてるの?
何もしなくて、泣いてるの?
翔ちゃん。諦めてるでしょ?」
相葉くんの痛いほど眩しい視線。
痛いのは、正しいからで。
今の俺、
もう無理だって、最初から諦める。
「泣くのは悪いんじゃない。
辛いのもよく分かる。
だけど、それだけじゃダメじゃん。
何もしてないのに終わらせるのなんて、
そんなの変だよ。」
「相葉くん…。」
「行動しなきゃ。」
笑顔と共に添えられた言葉には、
相葉くんからの精一杯のエールが
ありったけ詰まってた。
「まぁーくん、格好いい。」
「ばっ、何言ってんだよ。
今それどころじゃないー…」
「俺も格好いいと思うよ。」
「えっ!?」
甘やかすだけが、優しさじゃないよね。
相葉くんの優しさには、愛がある。
彼なりの精一杯の気持ちがある。
考えがある。想いがある。
だから、人の心を動かすんだろうな…。
相葉くんの言葉で、背中を
押された気がする。
トンって、優しく。
だけど、確かに。力強く。
「行動しなきゃ。」
相葉くんの言葉を繰り返す。
「うん。そうだよ。」
「俺、ちゃんと潤と話をするまで
諦めない。」
「俺たち、いつでも話聞くからさ。」
ニノも相葉くんも、どっちも
いい人すぎるよね。
「でも潤、どこ行ったんだろ…。」
「家にいなかったんだよね?」
「うん。探したんだけど…。」
「寝てた、とか?」
「たぶん潤なら、あの状況では
寝ないで、俺を待っててくれてたと
思ったんだ。
…自惚れだったのかな?」
自惚れ、だったの?
言葉に出したら、気分が下がる。
俯いて考えてたら、
ふふ、って笑い声。
顔を上げたら、
「「翔ちゃん、愛されてるね。」」
って。
「え?」
「普段、あの疎い翔ちゃんが
愛を感じてるって凄いよね。」
「ちょっ。」
…喜んでいいのか?
