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第22章 2人のBirthday M×S






M side




行き先も何も決めないまま、

ただ翔を見つけたい気持ちと、
スマホと、鍵と財布を持って家を出た。



だけど、すぐに行き詰まる。

翔のいる所なんて、
見当がつかなくって。




翔は、ずっと俺のそばにいてくれた。

付き合い初めて、
一緒に住むようになってから。


どれだけ忙しくったって、
俺の隣にいてくれた。


そんな翔の姿とか、気持ちが嬉しくて、
ちょっとでも翔と一緒に過ごしたくて


ずっと、ずーっと翔を待ってた。


翔も、そんな俺のことを分かってるから
最近では俺がいるのを待っててくれてた。





「どこなんだよ…。」



翔の行きそうな、家の近くの場所は
探したけど、やっぱり見つからない。




「ってか、電話すればいいじゃん…。」


やっと思い出したスマホの存在。


慌てて、翔に電話を繋げようとしたら



「何で充電切れてんだよ!」


こんな時に限ってそうだ。

今日の俺は、とことん
ついてないらしい。



「ぴーぴー鳴いてる暇があったら、
もうちょっと働けよ…。」


なんてものも言わないスマホと
会話して、

余計に寂しくなった。



やっぱり家で待ってるほうが
いいのかな?

信じて待ってる方がいいのかな?


色んな考えが、俺の頭をよぎる。



頭をぐるぐる働かせてたら、


「あ!」


1つ、心当たりがあった。



よく行ってる、といえば

あの2人の家じゃない?



「相葉くんの家だ。」


そうと決まれば、そこに行くしかない。


大通りにまで出て、全力で
手を振って、タクシーを止めた。


「この住所まで。」


窓から見える景色は、
ヘッドライトとテールランプ。


それだけ。





インターホンを鳴らせば、
案の定驚いた顔してる。


時間が時間だし。


…酷いをしてるんだろうし。



「ごめん、こんな時間に。」
「ん?いいよ、気にしないで。」


こんな時間、絶対に迷惑なのに、

相葉くんは絶対に言わない。


こういうところ、すごいなぁ、って思う。



俺たちが、リビングに入る間際


「隠れて!」



ニノの声…かな?

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