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DAYS

第22章 2人のBirthday M×S






「どうしたの?こんな時間に。」


相葉くんが、この時間らしからぬ
笑顔で言ってる。



「翔、来てないかな?」


言葉に迷ってる場合じゃない。

単刀直入に聞かないと。



「あー…。

どうしたの?」

「ちょっと…ケンカ…っていうか、

まぁ、俺が悪いんだけど。」
「何したんだよ(笑)」



笑いながら、だけど真剣に話を


…聞いてくれてるはずだ。



「可愛いって言いまくったら、
怒られて…。」
「…ぷっ。」
「何笑ってんだよ。」
「いや、ほんとだったんだなぁって。」
「…ほんと?」
「いや、何でもないよ。」



そうは言ってるけど、
明らかに焦ってるし。


いつも以上に、変だな。



「それで?」
「翔が出てっちゃって…。」
「ずっと家にいたんじゃないの?

帰ってきたりしなかった?」


痛いところを突かれて、ドキッとする。


「えー…っと。その、あのー。」
「?」


はっきりしない俺の返事に、
首をかしげてる。



「帰ってきてるの、知ってたんだ。」
「え?そうなの?」
「うん。

だけど、俺の名前を呼んでる翔を
見たら…。」
「まさか。」
「…もっと見たくなっちゃって。

しばらく見てたら、
もう翔が居なくなってたんだよ。」



唖然、って顔してる。


自分でも分かってるよ。



「何で電話、出なかったの?」
「え、何で電話したって
知ってるの?」
「あっ…。」


しまった、って言ってるような顔した
相葉くん。


「なぁ、どういう事だよ。」
「えーっと…。」



相葉くんを問い詰めようかって時、


リビングのドアがばんって開いて



中から出てきたのは、翔。


…泣いてる、の?



「え、翔?」
「翔ちゃん、大丈夫?」
「…てい。」
「え?」


「潤、さいてー!
俺がどんだけ悲しかったと思ってんの。
どれだけ寂しかったと思ってんの!?」


泣き叫ぶようにいう翔に言葉が出なかった。


「も、帰って。」
「翔ー…」

「帰れってば!」



がちゃんと閉まる玄関のドア。


だけど、
もう一度開く気にはならなかった。

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