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DAYS

第22章 2人のBirthday M×S







M side




電話が切れた、

つーっつーって音が虚しく響く。



「…ニノ、何考えてんの?」
「それは潤くんでしょ。」
「…。」



何も言えなかった。

図星だったから。


確かに。今の俺、何してんだろ。

何やってんだろ。


翔の事、信じてあげられなくて
家に帰らなかった。

リーダーのところで飲んでた。

愚痴をこぼすしかしなかった。




悔しくて、唇を強く噛む。

じわっと、血の味が口に広がった。




ぴろんって、携帯の着信音。

俺の携帯じゃない…ってことは、



「あ、相葉さんからだ。」



ニノは画面を見て、ふっと笑った。



「潤くん、見て。」って
俺に携帯を渡してくる。


その画面には、


「…え?」


相葉くんの腕枕で寝てる翔の写真。



「可愛いねぇ、翔ちゃん。」
「…何してんだよ。」
「何って…。寝てるんじゃない?」


淡々と言うニノに、余計に腹が立った。

俺が言えることじゃないって、
分かってる。



「お前ら、何してんだよ!」
「何してるって…。

翔ちゃんの事、慰めてたんだよ。
一晩中…ね。」



口角を釣り上げた、嫌な笑い方。


いつもなら、

「あ、こいつまた悪戯したな。」って
気が付ける。


「お前は、バカだなぁ。」って
笑って返せる。



だけど、今日は無理だった。



「…ざけんな。」
「ん?」
「俺の翔に何してんだ、って
聞いてんだよ!」



気が付いたら、手が出てた。


ニノの襟首を掴んで、
床にがんっと押し倒してた。



「…った。」
「ふざけんなよ!」


楽屋だって事を忘れて、
かなり大きな声を出してたみたいで。



「大丈夫ですか!?」


楽屋のドアをどんどんっと叩く音と、
スタッフの声。


ガチャっとドアを開けて、
何人かのスタッフが入ってくる。



「大丈夫です。すいません。」
「…大丈夫です。」
「ならいいんですけど…。


あ、今日の撮影なんですけど…。
機材トラブルで、延期になりました。
すいません。」



気まずい雰囲気を察したスタッフが
こそこそと楽屋を出てく。

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