DAYS
第22章 2人のBirthday M×S
再び訪れる沈黙。
「…。」
さっきから床に寝転がったまま、
動かないニノ。
「…いつまでそこにいんだよ。」
「…誰がこうしたんだよ。」
「立てよ。」
決まりが悪くなって、
手を伸ばす。
だけど、ニノはそれには
触れようとしなくて。
…それに余計に腹が立った。
「服、汚れんだろ。」
そう言って、無理やりぐっと
体を引き起こそうとした。
そしたら、
「…った。」
「…え?
まさか…。ニノ、腰ー…」
「大丈夫だよ。大袈裟。」
口ではそう言ってるけど、
顔が痛みで歪んでる。
「ごめん、俺ー」
嫉妬でかんかんに熱くなってた頭が
冷静になってくる。
とんでもない事をしたことに、
今更気がついた。
「ごめん。起きられる?」
「…大丈夫だよ。」
「でもー」
「大丈夫って言ってんだろ。
今更何言ってんだよ。
つき倒しといて。」
その言葉は、尖ったナイフみたいに
深く、強く突き刺さった。
俺はいつもそうだ。
気が付くのが、遅すぎるんだ。
俺の手助けなしで、
自力で立とうとしてるニノ。
だけど、どうしてもダメみたいで。
何度も立ち上がろうとしては、
顔をしかめてる。
床にばたん、と崩れ落ちそうに
なってるのを咄嗟に支えた。
「大丈夫か?
ゆっくり体起こすぞ。」
「…。」
今度は何も言わなかった。
ニノの腰に手を回して、
体を起こす。
そのままゆっくりと、椅子に座らせた。
「…ごめん。」
「…もういいよ。」
ニノにまで呆れられた。
傷つけた。
「ごめん…。」
「悪いと思ってるなら、
ちゃんと家まで送ってよ。」
「え?」
ばっと顔を上げた。
今、なんて?
「それくらいいいよね?」
「え…。」
「何?ダメなの?」
「いや…。」
ニノがそんな事、言ってくれると
思わなかったから。
だって…あんな事したのに。
「送ります。」
「相葉さんとこね。」
「え?」
「まぁーくんに会いたいの。」
正直、躊躇った。
あそこに行けば、翔がいる。