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DAYS

第23章 僕を焦がしてる S×N







収録中。



「あ、翔ちゃんずるーい。」
「相葉くんもしなよ。」
「わーい。」



ねぇ、距離近くない?



「智くん、何やってんだよ!」
「だって、翔くんがさぁー?」



これは仕事。仕事。


何度言い聞かせたって、
ふつふつと湧き出す感情を止められない。


胸が痛い。苦しい。

恋の痛み、とかそんな甘いもんじゃない。


嫉妬とか、そんな重たいものばっかり。






「ニノ。」


収録の間の少しの休憩時間。

Jが俺を呼んだ。


「何?どうしたの?」
「顔、怖い。」


そう言いながら、俺の隣に
よいしょ、と座ってくる。



「ごめん。」
「俺に謝らなくてもいいけどさ。
見てくれてる人に申し訳ないよ。

…何かあった?」


この人は、いつも気を使ってる。


そんなに考えてたら、
胃に穴があくんじゃない?ってくらい。



「…別に。」
「俺の知ってるニノは、
もっと可愛いんだけどな。」
「ばっ…。何言ってんだよ。」
「あ、笑った笑った。」



2人で、バカだぁ、なんて言いながら
爆笑してた。


そしたら、


「なになにー?何か面白そー。」


って相葉さんも寄ってきて、

相葉さんが来たら、


「あ、相葉ちゃーん。」
「ちょ、智くん!」



大野さんも来て。

翔さんも来て。


せっかくの休憩時間なのに、
結局5人でいるし。


「やっぱり仲いいんですねー。」


って、スタッフさんは笑ってるし。



この感じに、さっきまで
ささくれてた俺の心が優しくなって。


残りの収録も頑張ろう。

それで、翔さんと一緒に飲もう。


そう思ったら、途端にやる気が出る。

俺は、単純なのか。






大人だから、ヤキモチなんて妬かない。

スマートに対応する。




だけど…


「相葉くん、何やってんだよー(笑)」
「えへへ。翔ちゃんごめーん。」



今日はそんなに余裕がない。


何でなんだろ。



何でこの人は、

俺だけのモノにはならないんだろう。



何でこんなに寂しいんだろう。




言い表せない感情に、
呑み込まれてくのを止めることが
出来なかった。

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