DAYS
第23章 僕を焦がしてる S×N
「ちょっと、待てよ。」
翔さんが、俺の腕を掴もうと
手を伸ばした。
さっきまで相葉さんの肩に触れてた
手なんかで、俺の腕掴まないでよ。
メンバーにまで嫉妬してる。
俺、どうしちゃったんだろ。
とにかく今は1人になりたくて、
「離して!」
「やだ。」
「離せよ!」
振り切ろうとしたって、
翔さんの方が力が強いのは分かってる。
「どうしたんだよ。」
「何でもないってば。」
「変だよ?にのちゃん。」
誰のせいだと思ってんだ。
そう叫びたくなったけど、
分からなくなった。
相葉さんが悪いんじゃない。
これは俺の気持ちの問題なんだ。
頭では嫌というほど分かってる。
だけど、体は正直で、
涙はとどまることを知らない。
「ほら。1回座ろ。ね?」
相葉さんが、俺に手を伸ばしてる。
その手を取る気にならなかった。
「も、ほっといて…っ。」
「ほっとけるかよ!」
翔さんの必死な声。
さっきまで俺のこと放っておいて、
相葉さんと喋ってたのは翔さんじゃん。
そんな事を思えば、
また言い表せない感情が沸き上がる。
「翔ちゃん。」
こんな時にまで、2人の距離は近い。
何で翔さんの隣は俺じゃないの?
俺たち、付き合ってるんだよね?
何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で
何で何で何で何で何で何で何で何で…
俺は相葉さんに勝てないんだろう。
途端、激しく込み上げてくる熱いもの。
堪えきれなくなって、
とうとう嗚咽が漏れてくる。
「ちょ、にのちゃん!?
大丈夫?」
「誰のせいだと思ったんだよ!!」
「…え?」
「やめろ…。やめて、やだやだやだ。」
「にの!?」
傷つけたくない。
だけど、口から出る言葉は尖ってる。
「しっかりして、にのー」
「何で和、って呼んでくれないの?」
「え…。だってここ楽屋だしー…」
「相葉さんとの距離はそんなに近いのに。
何で隣にいるのが俺じゃないの?
俺のこと、嫌になったの?」
これ以上言っちゃダメ。
分かってるけど、止まれなかった。
止まらなかった。