
DAYS
第23章 僕を焦がしてる S×N
妬かされてる、って言ってる割には、
嬉しそうな顔をしてる。
嬉しそうっていうか…
そう。幸せそうな顔してる。
「いっつもヤキモチ妬かされるの。」
「…相葉さんに?」
「うん。」
呆れ口調の中に、
幸せそうなため息が1つ漏れた。
「相葉ちゃんってさ。」
「うん。」
「色んな人に、優しくって。
みんなに平等でさ。
危なっかしくって、
みんな助けたくなっちゃうじゃん?
いるだけで空気が柔らかくなるし、
そういう人じゃん。」
「確かに…。
しかも無自覚だもんね。」
「そーなんだよなぁ。」
グラスをぐいっと傾けて、
飲み干してる。
そして、ふぅーっと息を吐くと、
「でも、結局そこが好きなんだよ。」
「…好き?」
「うん。
初めはさ、みんなが惹かれてるような
魅力に惹かれて俺も好きになって。
それから、付き合って。
俺しか見た事のないような顔を
見たりして…。」
そういって、にやっと笑う。
「それってー…」
「ふふ。
結局さ、好きなんだよ。そこも。
みんなに好かれてる相葉ちゃんも。
2人だけの時の相葉ちゃんも。
丸ごと好きだからさ。」
そう言って笑った大野さんは、
今までで1番、
「格好いい…。」
「だろ?」
「いつもはおじさんなのに…。」
「やめーい。」
何でもないような顔して、
この人はやっぱり凄い人だ。
愛が深くて、考えも深くて。
相葉さんと、この人が上手く行く理由が
分かった気がした。
「にのは、どこが好きなの?」
「へ!?」
大野さんの突然の質問に、
ひどく動揺した。
「そんなに驚かなくっても。」
「いや、だって。」
「まぁ、いいや。
で、どこが好きなの?」
「どこって言われても…。」
俺を見るあの優しい眼差しが好き。
俺を全部包み込むあの腕が好き。
俺を溶かすようなあの声が好き。
抱きしめられた時のあの匂いが好き。
スーツでびっちり決めてる時も、
バカな事して笑ってる時も。
あぁ、そっか。
こういう事だったんだ。
