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DAYS

第23章 僕を焦がしてる S×N








「あ、にの。」
「相葉さぁーん…。」



ひょこっとリビングの扉から
顔を出したのは、相葉さんだった。



さっきまでは意地悪そうな顔を
してた大野さんも、


「ふふ。相葉ちゃん。」



ニヤニヤしてるし。


…こんな大野さん、
見た事ないかも…。


何だか見ちゃいけないような気がして、
空いたグラスに視線を移した。



「相葉ちゃん、どうしたの?」
「どうしたのって…。

会いたくなっちゃったの。」



相葉さんもお酒が入ってるのか、
甘え口調になってる。



こんなピンクの空気に
耐えられるはずもなくって、


「ごめんなさい、俺やっぱり
帰る!」



ガタっと大きな音を立てて
立ち上がった。



「え、今から帰るの?」
「帰るよ。申し訳ないから!」
「でももう遅いよ?」
「しかも、お前飲んでんじゃん。」
「うっ…。」



痛いとこを突かれた。



「いいじゃん。泊まってけば。」
「でも…。」



もちろん2人の邪魔をしたくないって
いうのもある。


だけど、


相葉さんにも酷いこと
しちゃったような気がして。



そんな俺の気持ちを知ってか、


「俺の事なら気にしないで。」



って、相葉さん。



「え?」
「気にしてるんじゃないの?
昼間のこと。」
「うん…。
酷い事言って、ごめんなさい。」



素直に頭を下げた。


そしたら、


「ふふ。今日のにのちゃん、
素直だね?」


頭をぽんっと優しく撫でてくれた。


そんな相葉さんを見て、


「あ、相葉ちゃん!」
「え!? あ、ごめん。つい。」
「ずるいー!俺も!」
「へ? わっ、ちょっと。」



後ろから、これでもかってくらい
抱きしめてくれる。



2人のいる場所は、居心地がいい。


安心できるし、
ドキドキしなくていいし、
変な気を使うこともないし。



それに比べて、
翔さんといる時は違うの。


心臓がドクドクうるさいし、
妙に緊張しちゃうし。



だけどね、

何よりも好きなの。

どれだけヤキモチを妬いたって、
翔さんがいいの。




それを伝えなきゃ。ね。

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