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DAYS

第23章 僕を焦がしてる S×N







「ほんとに帰れる?」
「うん。」



あの後、しばらくずーっと
2人に抱き締められてた。



でも、そのお陰で気が付いたの。



2人に抱きしめられた時は、
ドキッというか…

安心っていうか、ほっとした。

長い付き合いだし、
ほっとするの。


確かに好きだけどね?


好きだけど、それはLIKEで。

LOVEじゃないんだって。


俺が好きなのは、
翔さんだけなんだって。





「ほんとに大丈夫?」
「大丈夫。タクシー乗るだけだもん。」
「でもー…」
「大丈夫!
もう俺も30過ぎてるんだよ?」
「酔ってるから心配なんじゃん。」



相葉さんと、あーだこーだ言い合ってたら、



「雅紀。俺、妬くよ?」
「へ?何をー?」


意味が伝わってない相葉さんに、
ふかーいため息をついてる。


…大野さんも大変だな。



「タクシー、拾える?」
「俺は子供かっ!」
「雅紀。大丈夫だって。
にのは雅紀より、しっかりしてるよ?」
「え…大ちゃんひどいぃ…。」
「智って呼んで。」



何だかピンクが濃くなってきたから、



「ありがとうございました!

お疲れ様でした!!」
「お疲れー!」
「あ、にのー…」



相葉さんがまた何か言いたそう
だったけど、急いでドアを閉めた。






2人ってあんな感じなんだ。


進み出したタクシーの中で、
ふっと思い出した。


大野さん、見た事がないくらい
男前だったよ。

やっぱり、愛って人を
変えるんだろうな。


俺も変わったんだもん。



翔さんを好きだって気付いて、
恋に落ちて。

片思いして。

付き合えるようになって。

一緒に思い出を積み重ねて。



翔さんと付き合うまでは、
そんな小さな幸せに気付けなかった。

だけど、今はどんな事だって
キラキラしてて。

かけがえのないもので。





早く会いたい気持ちは募るのに、
今日に限って道が混んでる。




「…会いたい、なぁ。」


お酒も入ってるし、
タクシーの揺れが心地よくて、
うとうとしてきた。



「翔…。」



幸せな独り言。

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