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DAYS

第23章 僕を焦がしてる S×N







全てを見透かしたような瞳が
俺を優しく見てる。



「何で知ってるの…?」

「和也が、楽屋を飛び出したあとね。

俺、何で和也が怒ってたのかも
よく分かってなくって…。

困ってたら、相葉くんがね

『翔ちゃんは、愛されてるね』って。

『ちゃんと気付いてあげなよ』って。


それで気が付いたんだ。
あ、ヤキモチかなって。」



まだ涙が止まらない俺の頭を
そっと撫でてくれてる。


そのリズムと、体が触れてる部分から
伝わってくる翔さんの鼓動が

俺の涙腺を、もっと緩くしてる。



「ごめんっ。」
「何が?」
「ヤキモチ妬いて、ごめん、ねっ。」



こんな気持ち、重たいのに。

こんな気持ち、嫌なだけなのに。


ぼろぼろ零れてくる涙が、
頬をどんどん濡らしていく。


そんな俺を見て、


「もー…。そんなに泣かなくていいよ。」

って、もっと優しくぎゅっとしてくれる。



「おもったく、ない?」
「何が?

和也の気持ちが?」


こく、っと頷くと、

ふふっと笑う声。



「なんっで、笑ってる、んだよぉ…。」
「ふふ、可愛くって。」


こんな状況でさえ、
俺を愛おしそうに見てくれてる。


幸せそうな顔で。


俺がそうさせてるのかな?

翔さんの幸せを、作れてるのかな?



「ヤキモチ、妬いてくれるのは
嬉しいよ。」
「…へ?」
「俺だけだと思ってた。」
「翔さんだけ?」

「そう。

俺がヤキモチ妬いてたの、
知らないでしょ?」


翔さんが…ヤキモチ…



「え!?」
「俺ばっかりが、好きなんだって
思ってた。

和也だってさ、相葉くんと
仲いいし。

智くんとだって…。

俺だって、ヤキモチ妬くからね?」



知らなかった。


俺ばっかりが、ヤキモチ妬いて、

俺ばっかりが、拗ねてるかと思ってた。




俺たち、お互いにヤキモチ妬いて、

相手の事をちゃんと見る事が
出来てなかったんだ。




「俺たち、たぶんお互いが
大好きなんだよね。」
「…うん。」
「和也、好きだよ。」



うん。俺も好き。

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