
DAYS
第23章 僕を焦がしてる S×N
「愛してる」
その言葉の温かい、ドキドキする
心地よい余韻が部屋に残る。
2人とも、口を開かない。
静寂が続いてる部屋。
だけど、全然苦痛じゃないよ。
だってね、
翔と目が合った時に、にこって
笑っただけで
翔の顔が赤くなるの。
俺、知らなかった。
翔がこんなに可愛いってこと。
そんな翔を見てたら、
堪らなく幸せで。
「ふふっ。」
つい笑みが零れちゃった。
「何笑ってんだよ。」
少しツンとした口調の翔。
うん。やっぱり可愛い。
今日は何だかいつもと
立場が違ってる気がする。
俺が素直になったらね、
もちろん俺も恥ずかしい。
だけど、それ以上に
翔が照れちゃってるんだもん。
そんな翔を見てたらね、
「素直っていいな」って。
「ちょっとずつ変われるかな」って。
だってこんな翔見れるのって、
俺だけでしょ?
いいでしょ?
ふふっ。
「可愛い。」
「ばっか、和也の方が可愛いに
決まってんだろ。」
翔の顔が迫ってきて、
今度は本当のキス。
ただ触れるだけのキスなのに、
体がじんと痺れる。
「んぅ…っ。」
「…っはぁ。んっ。」
どちらかも分からない熱い吐息が
漏れてる。
心臓がうるさい。
胸がきゅーってなって、苦しい。
だけど…
「翔、もっと…っ。」
それだけじゃ足りなくなって、
自分から口を開けた。
なのに、翔の舌は
俺の下唇をなぞるだけ。
翔の舌に絡ませようとしても、
上手く交わされちゃって。
体を離して、
「ぷはっ…。
…何でくれないの?」
「ふふ。
ねぇ、和也。
今日はイイこと、しよっか。」
「…へ?」
イイこと?
…いつものヤツじゃなくて?
イイことって言われたって、
分かんないし。
「イイことって何?」
「…おいで。」
俺の手を引くと、
寝室まで歩いてく。
たった数メートルしかないのに。
それだけの距離でさえ、
もどかしい。
焦らされてるような、
そんな感覚になっちゃうの。
