
DAYS
第23章 僕を焦がしてる S×N
「ちょっと待ってて…。」
「翔?」
さっき入ってきたばっかりの
ドアから出ていく翔。
ばたんと音が響いて、
部屋に1人残される。
「…。」
翔と同じ家にいるのに、
別々の空間にいるのって変な感じ。
1人でいる寝室は広い。
「まだかなぁ…。」
思ってたよりも遅い。
待ちきれなくなっちゃって、
ごろんとベッドに転がった。
ちょうど横になった時、
「お待たせ。」
「翔。」
部屋に戻ってきた翔。
手には何かの袋。
「あ、もうそこにいるんだ。」
ベッドの上でくつろいでる俺に
すかさず言ってくる。
「だって遅かったんだもん。」
「ふーん…。
そんなに欲しいんだ?」
「え…違っ!」
怪しい笑みを貼り付けつけたまま、
ずんずんと近づいてくる翔。
思わずベッドの上で後ずさる。
「もー…。
なぁーんで逃げちゃうかなぁ。」
「逃げてない、逃げてない!」
「じゃあおいで。」
怖いんだけど。
だけど、今ここで行かなきゃ
もっと怖いことになりそうだから
大人しく腕に収まる。
「和也はいい子だね。」
俺の頭を撫でる翔の手。
俺より大きくて、強くて。
だけど俺よりも優しい手。
俺を守ってくれて、
俺を甘やかしてくれて、
…気持ちよくしてくれる手。
「イイこと、しようね。」
翔の一言で思い出した。
そうだ。
すっかり忘れてた。
だって翔の腕の中、すっごく
居心地がいいんだもん。
何やらガサゴソと、
紙袋から出してくる。
「え、それ…。」
翔の手には、
2つの小さな小瓶。
「うん♡」
「いや、うんじゃないよ!
何でそんなの持ってんの!?」
翔の手には、媚薬。
イイことって、そういうことなの!?
「今日はね、これ飲もうね。」
「やだやだやだやだやだ。」
「何で?」
「何でって…。」
前に1度飲んだ事がある。
正確には、飲まされた。
大野さんが相葉さんに飲ませるために
コップに仕込んでたのを
俺が飲んじゃったの。
そもそもそれがおかしいけど。
