DAYS
第23章 僕を焦がしてる S×N
翔の腕で、顔が少し熱い俺。
と、なぜか俺以上に赤い翔。
翔に抱えられて、リビングまで
向かう。
やっぱり、この場所が好き。
俺の特等席だよ?
誰にも邪魔されない、この場所が好き。
そんな夢みたいな時間も
あっという間で、すぐにリビングに着く。
名残惜しいけど、翔の腕から
すっとソファーに下ろされた。
だけど、離れるのは寂しいから、
「もっと近くにきてよ。」
って、翔を強引に引き寄せた。
嬉しそうな顔をして、俺の頭を
撫でてくれてる。
そんな翔を見るのもまた幸せで、
しばらく肩を寄り添って、
ソファーに2人沈み込んだ。
触れてるところが熱を持って、
熱くなってくるころ、
「あ。ねぇ、翔。」
「ん?」
「何か凄い音が聞こえたんだけど…
何かあったの?」
「え?…あーあ…。」
覚えがあるのか、
気まずそうな顔をしてる。
「無理させたって自覚あったからさ。」
「昨日?」
「うん。
だから、せめて朝ごはんくらいは
作ろうと決めまして…。」
「え!? 翔が!?」
だいぶん失礼な反応だって、分かってる。
だけど、あの翔が料理してくれてるの?
得意料理が、麦茶のあの人が?
「だけど、やっぱり慣れてないからさ。
お皿は割るし、
洗い物をしようかと思ったら、
また積んでたお皿を崩しちゃうし…。
しかも、今日は昨日無理させたから
ゆっくり寝てて欲しかったのに、
起こしちゃったし…。」
ごめんねって言って、しゅんっと
俺よりも大きい体がしゅんと小さくなった。
バカだなぁ、翔。
俺が気にするのは、
そんな事じゃないよ。
俺が欲しいのはそんなのじゃない。
「その気持ちだけでも、充分だよ。
心配かけて…ごめん。」
俺のために、苦手な料理まで
してくれだよ?
気持ちだけで充分嬉しい。
「俺がしたくてしたの。
お皿割っちゃって、ごめんな。」
「いいから、いいから。」
「ごめん…。」
しゅんとしてる翔を抱きしめた。
言葉よりも、何倍の速度で
伝わってくでしょ?