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DAYS

第24章 じゃなくって A×N








N side





「もー!にのぉ!!」



キッチンの方から、
相葉さんの叫び声が聞こえてくる。




「ごめんなさーい。」


テキトーにあしらって、
早々とリビングに戻る。





こんな時間が、俺にとっては
幸せで。



…相葉さんには、
そうじゃないと思うけど。


少なくとも、俺には
大事な時間で。大切な場所で。






「はぁー…。」


部屋の主のいないリビングで、
1人ビールを煽る。


主がいないせいなのか、
部屋はどこか寂しくって。



それが、アイツのせいなのか、
俺の気持ちのせいなのかは

考えないようにしてた。






俺は、相葉さんが好きだ。

自分でもはっきりと分かるほど。


だけど、このままでいい。
…このまんまの関係で。


そうやって自分に何度も何度も
言い聞かせてきたのに…。

相葉さんへの想いは、日に日に
大きくなってく。


とどまるどころか、溢れてくる。




この想いの止め方を、俺は知らない。

この恋の諦め方を、俺は知らない。


そんなのきっと、誰も分かんないよね。


それが恋なんだよ。







「どうしたらいいんだよ…。」
「なに?そんなにお腹すいたの?」
「ううん、そうじゃなくって…

って、え!?」


ぱっと後ろを振り向けば、
湯気が立つお皿を両手に持ってる
相葉さんがいた。



「いたの?」
「だって、俺の家だし。」
「いや、そうじゃなくってー…」
「さっきのにのも同じでしょ。

独り言が危ないね。」


仕返し、と言わんばかりに
言い返された。



「ー…っ、あいばかのくせに…。」
「あいばかって言うなよ。」


そう言って、お皿をテーブルに置くと、
頭にチョップをくらわせてきた。



全然痛くないところが、
相葉さんの優しさだと思うと

チョップも愛おしいよ。


本当に危ないヤツだよ、俺。




色んなイタズラをしてきた。

そしたら、相葉さんは決まって、


「もー…。」って呆れ口調で、
俺の頭に触れてくれる。


…髪の毛をぐちゃぐちゃにされるか、
チョップだけどね。



だけど、それが嬉しいんだもん。

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