DAYS
第24章 じゃなくって A×N
そんな2人での関係は、楽だった。
何にも考えなくってすむし、
気も楽だし。
辛くなれば、話を聞いてくれるし。
逆に大野さんが辛いときは、
俺が話を聞いて。
相葉さんといる時は、
何だろ…素の自分でいられない。
少しでも見て欲しくって、
少しでも釣合いたくって、
少しでも追いつきたくって、
一生懸命背伸びしてきてる。
だけど、相葉さんの背中は
思ってたよりもずっとずっと
前にあって。
全然届かないの。
伸ばしてる手も。
俺の想いさえも。
「大野さんだって、強いよ。」
「…俺は、諦めがつかないだけだよ。
翔ちゃんと松潤が両想いなの、
分かってるくせにね…。」
ダメだなぁ、俺って言いながら
ケラケラ笑ってる。
その顔は、どこか切なくって。
寂しくって。
思わず頬に軽くキスをしてみた。
「…違うね。」
「うん…。
大のおとなが何してんだよ。」
「ほんとだよ。」
やっぱり俺たちは、ただの同志で。
俺が好きなのは、相葉さんなんだなって。
「俺たちが、お互いを好きだったら
楽だったのにね。」
「楽じゃないから、人生は
スリリングなんだよ。」
「何語ってんだよ。」
大したことを言ってる訳じゃないのに、
威張ってる。
そういうところに、いつも助けられてて。
「俺、ニノには頑張ってほしいから。」
「…ありがと。」
「幸せにならないと。
相葉ちゃんとね。」
「でも、どうやって…」
「うーん。
あっ。」
何か思いついたように、
ぱっと顔が明るくなった。
…でも、大野さんのいいことって
期待出来ないからなぁ。
なんて、死んでも言えないけど。
「今まで、ニノはさ。
すごくガンガン攻めてきたじゃん?」
「うん。」
「だけど、気が付かないじゃん?」
「うん。」
「押してダメなら、引けばいいんだよ。」
「はぁー…?」
1歩引いて、逆に相葉さんの興味を
俺に向けよう作戦。
これどう?って、きらっきらの笑顔を
添えてる大野さんに、
俺は笑うしかなかった。