DAYS
第24章 じゃなくって A×N
A side
ある日を境に、
アイツは家に来なくなった。
それどころか、最近仕事でも
絡んでこなくなった。
…俺、何かしたのかな。
何かまずいことでもしちゃったかな。
変な心配事だけが、俺の頭を
ぐるぐる回ってる。
「相葉くん?」
「…へっ!
あ、ごめん翔ちゃん。」
「ううん。大丈夫だよ。
何の話してたっけ?」
「別に何も話してないけど…。
何か元気なさそうだから、
声かけただけだよ。」
新聞を読んでる手を止めて、
俺のことを心配してくれてる。
いっつも迷惑かけちゃってばかりだ。
「大丈夫だよ。」
「ほんと?
最近忙しいんでしょ?」
「それはみんな一緒でしょ?
俺だけしんどいなんて、
言ってられないから。」
翔ちゃんには、言えなかった。
このモヤモヤした気持ちのせいだって。
きっと翔ちゃんに相談したら、
親身になって聞いてくれる。
すぐにいい答えを出してくれる。
俺の求めてる答えを出してくれる。
だけど、それじゃあダメな気がした。
…なんとなく…ね。
「あんまり無理すんなよ?」
「うん。ごめんね。」
翔ちゃんは優しい。
ぽんぽんと俺の頭を優しく撫でると、
また新聞に目を落としてる。
そんな俺たちの様子を、3人が
恨めしく見てた人がいるっていうのを
知るのは、かなり先の話。
次の日も。
その次の日も。
またまた次の日も。
いくら待っても、アイツからの
連絡は来ない。
「何なんだよ…。」
胸に広がってるモヤモヤは
収まるどころか、どんどん膨張してる。
いつもはこうだったんだ。
アイツからこまめに連絡なんて
なかったし、家に来るのだって、
そう頻繁ではなかった。
それが、
いつの間にか、『いつも』が『いつも』
じゃなくなってた。
何にもなかった日常に、
気が付けばニノが入ってて。
それが俺の生活の一部になってて。
それがなくなった今、
俺の胸に何だかぽっかりと空いた穴。
日を追うごとにじわじわと広がってる。