DAYS
第24章 じゃなくって A×N
収録が終わった楽屋。
その隅の方で、ニノとリーダーが
何だか小さな声で話してる。
意識したらモヤモヤするだけだって
分かってるのに、見てしまう。
…俺、どうしたんだろ。
なにやら2人でこそこそして、
あ。ニノの顔が赤くなってる。
その横で、ニヤニヤしてるリーダー。
それを見て、真っ黒な感情に
押しつぶされそうな俺。
これ以上ここにいたら誰かを
傷つけそうで。
素早く荷物をまとめると、
「じゃ、おつかれー。」
みんなの方を見ることもせずに、
楽屋のドアを出ようとした時、
「相葉さん!」
久しぶりに俺の名前を呼んだその声。
ニノはたたっと走って俺の方へ
駆け寄ってくると、
「今日、相葉さんの家に行っていい?」
まだ少し、赤くなったままの頬。
真っ直ぐな瞳で俺を見てる。
まただ。
また気持ちがモヤモヤしてくる。
久しぶりのニノの誘い。
ニノの誘いを断ったことなんて
1度もなかった。
だけど、その意図も分からないし、
1人になりたいのもあって、
「ごめん。今日は…。」
逃げるように楽屋を出ようとした。
だけど、
「お願い!」
あまりにも必死で。
「…うん。」
「ほんとに?」
ほっとした顔をしてる。
俺は怖かった。
ここのところ全然来なかったのに。
必死だし。急だし。
「ほら、相葉さん。飲みなよ。」
「…うん。
って、ここ俺んちだから。」
「えへ。」
マネージャーの車に乗って。
家の玄関を2人で開けて。
そうしたら、
いつもじゃないいつもの光景が、
また俺のリビングに戻ってた。
「珍しいね。」
「なにが?」
「最近来てなかったから。」
「あー…。
なに?寂しかったの?」
挑発するような瞳。
何だかむっときて、
「何で俺が寂しがらなきゃ
行けないんだよ。
1人の時間を満喫してたの。」
「…ふーん。」
少し嘘をついた。
この嘘が、ニノを傷つけてたのに。
俺が素直になってたら、
もっと早くに幸せになれたのに。