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DAYS

第24章 じゃなくって A×N









「おはようございます。」
「おはよー。」
「おはよ。」




いくら逃げたくても、
仕事は仕事だし。

逃げようにも、逃げられない。


大野さんと2人で、楽屋に入った。


中には、1番に来てる翔さんだけ。



ちょっとだけ、ほっとした。

先に相葉さんが来てたら、
どんな顔してらいいのか分かんないから。



大野さんの横にぴったりとつけて、
イヤホンとゲームを取り出す。


「そこの距離、近くない?」


翔さんが、呆れ顔で見てる。


「キノセイキノセイ。」
「何で片言なんだよ。」


そんないつも通りのバカみたいな
やり取りに、少しだけ気持ちが軽くなる。



しばらくゲームをするのも忘れて、
会話を楽しんでたら、


「おはよー!」



ひときわ明るい声。


いつもは、すごく待ち遠しいはずなのに、
今日は気まずくて仕方なかった。



明日会える、ってワクワクする
夜をいくつも過ごして。

もうすぐ会えるって、ドキドキして
待つ楽屋での時間をたくさん経験した。


だけど、こんなの初めてだった。


今日は、逃げたくて仕方なかった。



「相葉くん、今日も元気だね。」
「ふふ。そう?」


コートを脱ぎながら、
翔さんの横にぴったりくっついてる。


その姿に、ずきっとした。


俺に妬く資格なんてないのに。



「相葉くん。」
「どしたの、翔ちゃん。」
「体調、悪くない?」
「え!?」


翔さんの言葉に、思わず反応して
立ち上がった。


みんなびっくりして、俺を見てる。


俺が1番びっくりしてるよ。

もう俺がよく分かんないくらいに。



「…気のせいだよ。
翔ちゃんは心配性だなぁ。」


ケラケラ笑ってるけど…。


本当だ。
翔さんの言ってることは、
どうやら本当らしい。


相葉さん。
それ、無理してる時の顔、でしょ?



「でも、お前熱いぞ。」
「…気のせいだって。」
「でもー…」
「大丈夫。大丈夫。」
「大丈夫じゃないんでしょ!?」


大きな声が出た。

誰かと思ったら、自分だった。



驚くのは、それだけじゃなくって。


気が付けば、相葉さんの方に
駆け寄っていた。

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