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DAYS

第24章 じゃなくって A×N








「…え?へ?」


まだ状況が呑み込めてない相葉さん。


「なに?また言わせたいの?」
「え、いや。

今、好きって…。」
「言ったよ。

相葉さんが、好き。」



2回目の言葉は、目を見て
真っ直ぐに言えた。


俺の想いが少しでも届くようにって。

俺と同じ気持ちでありますようにって。




「好き…。

…っ、俺も。」
「もー、すぐ泣いちゃうなぁ。」


ぽろぽろと涙を流す相葉さんが
愛おしくて、抱き寄せた。


そろーっと背中に手を回したら、
その何倍もの力で抱きしめ返された。



「ちょ、苦しっ。」
「あ、ごめん!」


なんて言ってるけど、
力は全然弱めてくれないし。



ずっとここが欲しかった。

この暖かさを求めてた。


俺はここにいるよって、少しでも
伝えたくて、

相葉さんの首に腕を回して、


「好き。」


耳元で囁いたら、

びくっと少し体を震わせてから、


「俺も…大好きだよ。」って。



ずっと待ってた言葉。

だけど、聞けなかった言葉。
俺の勇気が足りなかったから。





ふと体を離された。

「…相葉さん?」
「にの。」


相葉さんを見れば、真剣な顔。

…さっきまで泣いてたのにね。



だけど、どんな相葉さんもやっぱり
『相葉さん』で。

当たり前なんだけど、それが嬉しくて。


どんな相葉さんも好きなんだ。




「改めて…。
遅くなってごめんね。

にのが好きです。
俺と付き合ってください。」
「俺も好き。

俺こそ、よろしく。」



顔を合わせれば照れくさくって。

だけど、こんな甘い雰囲気も
愛おしくて。



2人でふふ、っと笑いあってたら


どちらともなく顔を寄せあって、
唇が



「はい。いいところですがー。」
「あ…。」
「俺たちいるので、ちょーっとだけ
待っててねー。」
「邪魔者は退散しまーす。」



存在をすっかり忘れてた。


開いた口が塞がらない俺たちを
残して、そそくさと3人は帰ってく。




ばたん、と扉が閉まる音が
楽屋に響くと、


そこは2人だけの空間になった。

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