テキストサイズ

DAYS

第24章 じゃなくって A×N










「和ー。」
「んー…。」



湯上りの和には、注意。


だって、最高に色っぽいから。



お風呂に入ってる時もやばいけど…。

お風呂から上がった和は、
ほとんどの場合、眠気と戦ってる。



滑舌もいつもからは想像出来ない
くらいに、緩くなるし。

目がとろん、としてるし。

頬が赤くなってて、やばい。


とにかく、キリがないくらい
やばいんだって。




しかも今日は、もっとタチが悪い。




「まぁーくーん…。」
「なーに?和。」
「お水…。」
「あぁ。」


ソファーの上で、足を曲げて
楽な体勢になってる和。

手で顔をぱたぱたと扇いでる。


髪も乾かさずに、
目を瞑って仰向けで寝そべってる。



そんな和を見てると、
何だか顔が緩んでくる。


結局何をしても可愛い。



キッチンの冷蔵庫から
ペットボトルの水を取り出す。



「ほい、和。」
「んー…。」


ちらっと俺のほうを見て、
だけど動こうとはしない。



「かずー?」
「んー…。

あのね。起き上がれないの。」
「あ。そっか。ごめんね。」


そう言って、和の背中に手を回して
体を起こそうとすると、


「やだ!」って、首に腕を回して
抱きついてくる。



「あ!痛かった!?
ごめんね!」
「違うの。」
「…違うの?
本当に?大丈夫?」

「大丈夫じゃない。

ね、まぁーくん。お水飲ませて。」



…ほんっとにコイツは。


和のやってほしい事なら分かる。

まぁ、いつもやってるし。


だけど、今日は分からないフリをする。



持っているペットボトルのキャップを
開けて、和に渡してやる。



「ほら。はい。」
「んーん。違う。」



予想してた通りの返事。



分かってるよ。これじゃないって。

どんだけ一緒にいると思ってんだよ。


だけど、今日はほんっとに
ダメだってば。



「まぁーくんのお口から、欲しい。」
「…今日はダメ。」
「ほしい。」
「ダメ。」
「喉乾いたよ。」
「自分で飲めるでしょ? 」


和を見れば、寂しそうな顔。



あー!もう!


そんな顔させたい訳じゃない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ