DAYS
第24章 じゃなくって A×N
「まぁーくん…。」
甘ったるく俺の名前を呼ぶ声。
だけど、嫌じゃなくって。
好きだよ。和のその声。
でもね。今日はそんな声聞いてちゃ
堪んない。
そんな切なそうな顔しないで。
1つ大きくため息をつく。
「…まぁーくん?」
「水、飲むの?」
「…うん。
飲みたい。」
少し恥じらいを持った、
揺れた瞳。
その瞳に、スイッチが入った。
目を閉じて、何かを期待して
待ってる和の唇にそっと触れる。
「ん…。」
少し体を震わせる。
いつもよりも高い、
甘く切ない声。
「ほら、口開けて。」
ペットボトルを開けて、
水を口に含む。
「まぁーくん…。」
口を小さく開けて、
俺を待ってる。
真っ直ぐに俺を見る。
その瞳に吸い込まれるように、
唇へ運ぶ。
「んんぅ…っ。ん…。」
飲み切れなかった水が、
和の首筋へと流れていく。
その水の冷たさに、
和の体が跳ねた。
和が水を飲み込んだのを確認すると、
唇を離す。
和を見れば…
やっぱり。
物足りなさげな表情。
「…まぁーくん。」
「ん?」
「もっとちょうだい。」
ほら。
可愛すぎるでしょ?
「まだ足りないの?
そんなに喉乾いてたの?」
「ううん。
お水はね、もういいの。」
「何が足りないの?」
「まぁーくん。」
すると、俺の首に腕を回して
和からのキスを受ける。
啄むようなキスは、
すぐに深く、味わうようなキスに
変わった。
「ん、ふ…ふぁ…っ。」
「…はっ。」
唇を離すと、
上気した頬の和。
「もう止まんないんだけど。」
「シてよ。」
「ダメ。」
「…ケチ。」
「ケチじゃないでしょ。」
「だって…。」
分かるよ。
俺だって和が欲しいんだもん。
「まぁーくん…。」
泣き出しそうな顔してる。
「やだぁ…。」
「かーず。」
水分を多く含んだ瞳に、
ちゅっとキスを落とす。
「俺だって、欲しいよ?」
「じゃあ、ちょうだい。」
「でも、それより和の体が
大事なの。」