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DAYS

第24章 じゃなくって A×N










N side





暑苦しくて目が覚めた。


いや、この時期で暑苦しいってのも
変なんだけど…。



「んー…っ。」



そりゃ暑いわ。


「もー…。」



気が付けば、まぁーくんの腕枕の中。


ぎゅっと俺を抱え込んで、
すやすやと寝てる。



「まぁーくん、あっつい…。」


いくら体をよじっても、
逃げようとする何倍もの力で
抱え込まれてる。


もう逃げるのも諦めて、
大人しくされるがままになる事にした。




「かーずぅ…。んー、ふふ。」


優しい声が俺を呼ぶ。


幸せそうに寝てるし。

一向に起きる気配はない。



俺の首筋にかかる、まぁーくんの吐息が
くすぐったい。


まぁーくんの腕の中でくるっと
方向を変えて、まぁーくんを見る。



まつげ長いなぁ…。

鼻筋、綺麗にとおってるなぁ…。


…唇。



「…っ!」


まぁーくんの唇を見て、
昨日の熱が戻ってきた。



あんなにキスをしたのは、初めてだった。


何もかも忘れるまで、
ずーっとずっと求めてた。


見つめあったままのキスは
官能的で。

どんな言葉よりも、気持ちが届く。


体を重ねることだけが
気持ちいいんじゃないなって分かったの。


キスから、まぁーくんの気持ちが
たくさん流れ込んできた。

それが暖かくて。

愛おしさが溢れてきて。


涙がとめどなく溢れてきた。


まぁーくんはそんな俺を見て、
柔らかく微笑んでた。



まぁーくんは分かってるんだ。

俺が幸せだってこと。


そうでしょ?
まぁーくんも幸せでしょ?





キスから蘇ってきた熱は、
どんどんと膨れ上がってくる。


堪らなくなって、まぁーくんの唇に
軽くキスを落とした。


1度触れれば、求めるのは必然で。



こそっとしてたキスは、
大胆になってく。


だって、起きて欲しいんだもん。




そんなキスを繰り返してたら、


「…ん。…かず?」


ゆっくりと開くまぁーくんの瞳。



朝の優しい光をめいっぱい取り込んで、
キラキラと輝く瞳に映るのは



俺だけ。

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