DAYS
第4章 In Love With Love M×A
もう収録中も全然集中なんて出来なくて、
頭の中は雅紀の事でいっぱいだ。
ボーっとしたままで、何も考えられない。
ゲストさんに話を振られた時も、
「松本さんは?」
「え、俺ですか?あー。俺は…。」
「松潤もそんなとこある気が…。」
「あるある。オイラも思うよ。」
メンバーの皆が空かさずフォローを
してくれて何とか助かったけど、
迷惑をかけてしまってる。
カメラがこっちを抜いていない時、
隣にいるリーダーが、マイクに拾われない
ような小さな声で、
「松潤。珍しいね。」
「ごめん。ちょっと考え事しちゃってて…。」
「ううん、大丈夫。
でもあんまり考えすぎない。収録中だよ。」
「すみません…。」
リーダーにリーダーらしい事を言われて、
やっと気持ちの切り替えが出来た。
その後の収録は順調に進んで、
俺もその後は特に注意されるような
こともなかった。
それでも頭の隅のほうに、
ずーっと雅紀がいて。
もー…どうしよ。
「収録、終了でーす。」
スタッフさんから終わりの合図が掛かって、
「ありがとうございましたー!
お疲れ様でーす。」
5人全員で挨拶をしてから、
スタジオを後にした。
楽屋に着くと、
「じゃ、お疲れー!」
って、足早に雅紀が帰っていく。
避けられてるのかなぁ。
いつもなら、絶対に最後まで楽屋に二人で
残って、一緒に帰るのに。
寂しさと、少しの苛立ちとが
大きなため息となって出ていく。
「そんなに大きなため息ついて…。
収録中もボーっとしてるしさ。」
翔さんが荷物をまとめながら、
俺に近づいてくる。
「ごめん。」
「何があったの。相葉くん、すぐに帰っちゃ
ってるし。いつも二人で残ってるのに。
今日は一緒に帰らないの?」
一緒に帰ってたこともバレてたのか。
「うん…。はぁー。」
「松潤、もう上がり?」
「この後はもう無かったと思う。」
「飯、行こっか。」
俺の返事も待たず、有無を言わさぬような
強引さで俺の手を引く。
「じゃ、お疲れ様ー。」
「え、ちょ翔さん。あ、お疲れー。」
一応挨拶をして楽屋を出る。
…こうなりゃ飲んでやる。