DAYS
第25章 with YOU M×N
呆気に取られて、全員が
ぽかんとしてた。
見てた俺らも。
叩かれた翔さん本人も。
右頬を押さえたま、動きが止まってる。
「…さ、智…?」
「…バカ。」
それだけ言うと、大野さんは
荷物を持って、帰ってしまった。
みんな迫力に驚いてる間に、
ちゃっちゃと用意をして帰った。
「翔さん、やっぱり追いかけなよ。」
「そうだよ、翔くん。」
「いや、でもー…」
何がそんなに引っかかってんだろ。
もう追いかけるしか、他にないでしょ。
うだうだ言ってる翔さんを
今度は無理やり追い出した。
「はぁ…。
なーんで翔さん、あんなに素直じゃ
ないんだろ。」
「確かに。
いつもなら、もっと余裕ある感じ
するのに。
な、相葉くん。」
「…。
え?あ、ごめん。ぼーっとしてて。」
「疲れてるんですか?」
「うーん、そうかも。」
ははって笑ってるけど、
目が笑ってないし。
「今日、これで仕事終わり?」
「俺はまだ残ってるよ。」
「俺も。相葉さんは?」
「…。」
「相葉さん?」
「あ。ごめん。
俺はもう終わりだから…。
帰るね!じゃ、お疲れ様!」
びゅーんと一目散に帰ってった。
「…相葉くん、変じゃない?」
「いつもじゃない?」
2人になった教室で、くすくすと笑う。
仕事頑張ってね、って駐車場で分かれて。
今日は遅くなんないし、
今日こそご飯作って待ってようかな。
でも、潤のほうが早いのか。
じゃあ、潤がご飯、作ってくれてる
かもしれないなぁ。
そんな事を考えてるのが、1番楽しい。
やっと潤と2人でゆっくり出来る。
ウキウキ気分で、玄関のドアを開けると
見慣れた靴が一足。
半分諦め気分でリビングのドアを開ければ、
「うー…。翔くん、のばかぁ…っ。」
やっぱりこの人だ。
今まで見たことがないくらいに、
泣いてる。
潤は、この人の話をずーっと聞いてる。
大野さんは、潤に体をあずけて
もたれかかってる。
こんな時にまで妬いてる。
俺の心は大さじスプーンほどしかない。