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DAYS

第25章 with YOU M×N








N side





楽屋の扉から、ひょっこり現れたのは



「松にぃ…。

ごめん。待ってた?」
「先輩待たすなんていい度胸だなぁ。」
「ひぃっ。」



なんて言ってるけど、
顔は笑ってるからホッとした。



「え…。何で松岡くんが?」


口をぽかんと開けたまま、
じーっと松にぃを見てる翔さん。


そりゃ、驚くよね。

俺たちは知ってたけど。



「俺たちが呼んだんです。」
「え…?」


ますます分からないって、
顔してる。



そんな翔さんの後ろ。

楽屋の入口で立って黙って翔さんを
見てた、松にぃの顔色が急に変わった。



「え…まぁー!?」


そう叫ぶと、急いで相葉さんに
駆け寄ってる。



「どうなってんだ、松本。」
「さっき倒れたんです。
たぶん貧血だと思います。」
「そうか。

まぁー。まぁー。」


松にぃの、相葉さんを呼ぶ声が
優しくて。

肩を少し揺さぶって、様子を見てる
眼差しが暖かくて。



ね、翔さん。

そんなに心配しなくったって、
相葉さんにも大事な人がいるんだよ。



松にぃの呼びかけに応えるみたいに、
ゆっくりと開いた瞳。


「ん…。…にぃ?」
「まぁー。大丈夫か?分かる?」
「うん…。


…っ、寂しかったぁ…っ。」
「あーあー。泣くなよ。
ほら、来い。」


松にぃが広げた腕に、思いっきり
飛び込んでく相葉さん。



その光景は、愛に包まれてて。


泣きじゃくってる相葉さんも、
それを抱きしめる松にぃも

幸せそうで。



「ねぇ、翔くん。」


ゆっくりと、大野さんが口を開く。


「相葉ちゃんは、
松にぃのことを想ってる。
真っ直ぐ見てたの。

誤解してたんだよ、翔くん。


相葉ちゃんは、こんなに一途なのに…。

翔くんは、捻くれてばっかりで…っ。
俺、分かんない、っ。」

「…っ、ごめん!ごめん、智!」


ずっと入口付近で突っ立ったまま
だった翔さんが、

泣き出した大野さんを抱きしめた。

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