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第26章 熱さまシート S×A









今日最後の仕事。


夜9時から、松潤と2人だけの
撮影の仕事。


もうこの頃には、ふらふらだった。



「相葉さん、やっぱり帰りましょう。」
「やだ。」
「明日はちょうどオフですし、
スケジュールの調整は難しくないのでー」

「明日だけは、譲れないの!」



体を支えてくれてたマネージャーを
とんっと押して、体を離す。


さすがにマネージャーも諦めたみたいで、


「水分補給だけは、しっかりして下さい。」


それ以上は、何も言わなかった。






楽屋には、まだ松潤は来てなかった。


とりあえずすぐには、体調が悪いことを
隠さないでいいと、少し安心する。


ソファーにどかっと沈み込むと、
もう立てないんじゃないかってほどの
めまい。



「熱、上がってきちゃってるなぁ…。」



カバンの中から、持ってきてた
体温計ではかれば

38.4℃。


数字を見て、さらに気持ちが
ずーんと落ち込む。


こんな状態で仕事をしても
迷惑がかかるだけだって言うのは
よーく分かってる。


だけど…。



そんなことをぐるぐると考えていたら、
寝てしまっていたみたいで。





「相葉くん。」


俺を呼ぶ、松潤の声で目が覚めた。


「あ、松潤。」


ゆっくりと体を起こそうとすると、

ふらっとしてまた逆戻りして。



「何やってんの。」って笑われる。


「ちょっと腹筋してただけだよ。」
「何だそれ。」


くすっと笑われて、ホッとした。


まだバレてない。

大丈夫だって。



だけど、そんな訳なくて。


「熱があるから、ふらふらするんだろ?」
「へ?」
「熱、あるでしょ。」


秒殺でバレてた。


「ないよ。」
「何度あるの?」
「だから、ないってー…」
「何度あるの?」


有無を言わせぬ物言いに、
ぞくっとした。

熱のせいかもしれないけど。



その口調に負けて、


「37℃…。
微熱だもん…。」


ちょっとごまかしたら、


「37℃くらいじゃ、平熱高い相葉くんが
そんなんになんないでしょ。」


って、すぐにバレる。


…松本薬局は、恐ろしい。

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