DAYS
第26章 熱さまシート S×A
下手な嘘をつくよりは、
ここは素直に言った方がいいのかな。
俺もちょっとは、賢くなった
気がする。
「何度あるの。」
「8度とちょっと…。」
「…バカか。」
はぁ、っとため息が楽屋に響く。
まゆにシワが寄っちゃってる。
濃い顔がもっと濃く見えちゃうよ。
くすっと笑ったら、きっと睨まれたから
慌てて口を抑えた。
「そんなんでよく…。」
「だって、休んだら迷惑かかる…。」
「そんなんで仕事したほうが
よっぽど迷惑かかるだろ。」
ピリッとした空気が流れる。
迷惑かけちゃうってのは
よく分かる。
いつもなら、すぐに帰って
体調を万全にするのが正しい。
「でも…。」
「でもじゃない。
翔さんも、ここまでして
欲しいって思ってんのか?」
「え…?」
松潤の言葉に驚いた。
…翔ちゃんが?
「昨日ちゃんと休んどけって、
和に言われただろ?
何してたんだよ…。」
「…。」
もう何も言えない。
鏡の前で、裸で
ファッションショーしてたなんて
絶対に言えない。
「旅行、行きたいなら
ちゃんと休んどけよ。」
「うん…。」
俺が1番よーく分かってる。
「とにかく。今日は帰る。」
「それだけは、絶対にやだ。」
「帰るべきだ。」
「絶対に帰んない。」
ソファーに沈み込んだまま、
口だけを動かす。
さっきよりも熱が上がってる気がする。
「薬は?」
「さっき飲んだ。」
松潤の言葉でも、もう頭が
ぐわんぐわんする。
そんな俺の様子が分かったのか、
「大丈夫じゃないだろ。」
「大丈夫だから…。」
「やっぱり帰れ。」
「仕事があるから、絶対にー…」
「仕事なら、俺が変わります。」
昨日も聞いた声。
がんがんする頭を何とか入口の
ほうに向けたら、
「ニノ…?」
「もー…。俺、オフなのに。
仕事増やさないでくださいよ。」
「え、でも何でー…」
「そんなこと言って、
俺と一緒に仕事出来るの、
嬉しいくせに…?」
「ばっ!潤くん!」
真っ赤になってるニノと、
ニヤニヤしてる松潤。