DAYS
第26章 熱さまシート S×A
「んぅ…。」
額に、ひやっとした冷たい感覚。
その冷たさで目が覚めた。
目を開ければ、眩しい楽屋…
なんかじゃなくって、
見覚えのある部屋。
このベッドの感じ。
この匂い。
「起きた…?」
この声も。
「翔ちゃん…。」
体を起こそうとすると、
「まだ寝とけ。」って
押し戻される。
いつもの口調…のはずなんだけど、
何かが違う。
「翔ちゃん?」
「ん?」
返事はしてくれてるけど、
絶対に俺のほうは見てくれない。
「ねぇ、翔ちゃん…。」
「ほら。まだ熱あるんだから、
寝とけって。」
「こっち向いてよ…。」
熱のせいか、涙腺が緩い。
ほろほろと溢れてくるものを
止めなれない。
「しょーちゃぁん…。」
「あ…。
ごめん…。」
一瞬はっとして、だけどすぐに
ぎゅっと抱きしめてくれた。
抱きしめられたその腕は、
いつもと変わらず力強くて。
翔ちゃんの匂いがいっぱいに感じられて、
ほっと息をついた。
「雅紀。俺、怒ってる。」
「…ごめんなさー…」
「何で倒れるまで、我慢してんだよ!
もっと自分の体を大事にしろ!」
翔ちゃんの声が、耳にキーンと
こだまする。
今まで見たことがないくらい、
怒られた。
俺のために言ってくれてるって
分かってるけど…
弱ってる時って、
心も弱くなっちゃうみたいで。
涙がますます止まらない。
そんな俺を見て、翔ちゃんは
1つため息をついた。
…俺に、呆れちゃった?
「そんな頑張りやさんな雅紀、
好きだけどね。
旅行のために無理したんだろ?」
さっきとは違う、
優しい声。
その声に、素直に頷くと
「それは嬉しいけどさ…。
無理して、みんなに迷惑かけちゃ
ダメでしょ?」
「ごめん、なさいっ…。」
「ちゃんと、お礼しようね。
松潤とニノには。
ほら、ゆっくり休まないと。」
もう寝なさいって、優しく布団を
かけ直してくれる。
「おやすみ。」って、
ベッドから離れてく翔ちゃん。
「やだぁ…。翔ちゃんも…寝るの。」